一昨日のことになるが、3週間の教育実習が終了した。


卒業から数年経ったとはいえ、セーラー服姿からスーツ姿に変身し教壇に立つ姿を眺めると、最初やや浦島太郎現象に陥る。


こちらからするとあっという間だが、彼女たちは濃厚な数年間を送っていたのだろう。

高校時代にしょっちゅう使っていたはずの教室の名前が思い出せなかったりするのを見ると少し寂しいが、微笑ましい。


実習生の1人は不思議な縁があり、僕が20代の頃のリサイタルに何度か足を運んでくれていた。


当時彼女は4歳か5歳で、ヴァイオリンの先生に手を引かれてコンサートに来てくれていた。


その子が大きくなって明和高校に入学し、卒業を見届け、教育実習生として教壇に立っている。



実習を終えてみて率直に感じたのは、「学校っていいな」ということだった。


学校が好きだった先輩たちが、イキイキと授業をして後輩に何か伝えようとしている姿を見て、在校生たちも刺激的だったに違いない。


全てのものがデジタルになり、スマートフォンさえあれば全ての学びが完結すると言えなくもない世の中になってはいるが、音楽と一緒で生身の人間同士の対話や触れ合い、心の振動の共有というのは楽しいことばかりではないが、生きる力に繋がっていくとあらためて感じた。


もし彼女たちがこの先も教員という人生を歩むなら、学校っていいなと思える教育や学校作りをしていける先生になっていってもらいたいと思った。