第10回記念ナゴヤサクソフォンコンクール入賞者披露コンサートが終演した。


僕もコンクールを受けたことがある。


初めて受けたコンクールは、大学3年の時、ミュンヘン国際音楽コンクールだった。


この話を明和高校音楽科ですると、正気かと問われている気がする空気に包まれる。


正気かどうかはわからないが、それだけ僕はコンクールには縁がなかったというか、よくわからない世界だった。


ミュンヘンのことはまたいつか別の機会に書きたいとは思うが、当然箸にも棒にもかからず帰ってきて、その後2回ほど日本管打楽器コンクールを受けた。


1回目は大学4年、もう一回は大学院を出た年、明和高校音楽科の非常勤講師として勤めはじめて1年目の時だ。


両方1次で落選したが、2回目は少し自信があった。


カゲアナのアルバイトをしていた人が、僕が演奏し終わった後駆け寄ってくれ、「今日の演奏の中でおそらく堀江さんが1番良かった、2次も頑張ってください」と言ってくれた。


なんとなく手応えもあったので、自信を持って2次の課題を練習していたが、通ることはできなかった。


これで僕のコンクールのキャリアは終わりだ。


ふん。

コンクールに通らなくてもやっていけるはず。


自分の音と音楽を信じてなんとか今までやってくることができはした。


ただ、コンクールに縁がなかった僕がコンクール運営に携わるようになり、コンクールとはなんだろうかと考え続けて10年が経ったと言ったら無責任だろうか。


しかしながらサクソフォンのポテンシャル、未来、存在意義については、今日の演奏を全て拝聴する中でその悩みの多くが解消していくような気がする時間だった。