東京の大学に進学したサクソフォンの生徒が、今日久々に僕のレッスンに足を運んでくれた。


手の離れた生徒がこうやって自分を頼って訪ねてくれるのはとても嬉しい。


それだけではなく、こっちで日々の仕事に忙殺されているとアンテナに引っかかってくることのない若手奏者の最新事情などを聞くこともでき、刺激になる。


何より彼女自身の音楽的成長に驚かされる。


演奏はもちろんだが、話す内容の一つ一つの感覚がとても研ぎ澄まされている。


僕が一節吹いたのを聴いて、最近演奏において特に意識していたことをズバリ言い当てられたのはあまりに嬉しい驚愕だった。


こちらが提供できるのは、全く新しい価値観や刺激ではなく、彼女たちの中でもしかしたらサビかかっているかもしれない細胞核のようなものへの追想という新鮮さのような気がしている。


いつまでも背中を見てもらえるような存在でいられるよう、僕も常に磨いていなければならない。


とりあえず、今日彼女から斬新なスラップタンギングの練習法を教えてもらったので、勤しむことにしよう。