卒業式。
昨年度担任をさせてもらった学年。
彼ら、彼女らにら最後に伝える言葉として選んだラテン語。
VIVE HODIE.(ウィーウェ ホーディエ)
VIXI.(ウィークシー)
DO UT DES.(ド ウト デス)
VIVEやVIXIは「生きる」という意味を持つVIVOの活用形で、VIXIは完了形。
HODIEは「今日」だ。
VIVOはそのままイタリア語で音楽用語にもなっている。
DO UT DESは、ラテン語の格言として有名な「与えよ、さらば与えられん」。
こちらも音楽科の生徒達にとってみれば全ての単語が音名を表すので親しみが持てる。(DO=C UT=C DES=D♭)
これは英語で言えば「Give and take」となるが、僕はこの短い文にもう少し宗教的奥深さを感じている。
今自分が生きているのは、自分の力では決してない。
多くの人たち、自分では気づくこともできない数えきれない人たちによって与えられ、支えられて今この場所に存在している。
その人達すべてに恩を返していくよりも、自分が守らなければならない大切な存在に全力で与えていくことが大切だと言っている気がする。
日本語にも素敵な言葉がある。
「恩送り」だ。
愛、思いやり。
人生はここに帰結するのかもしれない。
今日を一生懸命生きようと思い、しっかりと生き切る。
守るべき大切な存在に出会うことができたなら、無償の愛を注ぎ続ける。
自分の人生はその積み重ねであり、それがいつ終わるのかは誰にもわからないしわかってはいけない。
「愛で甚し(めでいたし)」
めでたいの語源と言われている。
なんと愛に溢れた素晴らしい言葉だろう。
「おめでとう」とたくさん言ってもらえる人生を送っていってもらいたい。
卒業、本当におめでとう。
ちなみにいつも卒業式には、「いつか現場で会いましょう」と言っていたが、今年はやめた。
なぜならこの人たちと現場で会うために頑張らなければならないのは、僕だからだ。