毎日少しずつ大切に読んでいる本。
読み飛ばしたくない。
巨匠たちの最後の日々が中川氏の絶妙な文章で綴られているこの本は、さながらそれぞれの巨匠の最後を映画で観ているかのような錯覚に陥る。
巨匠といえど最後は非常に人間的なのだ。
歴史の中でいかに美化されてきた神々も、やはり人間なのだということを中川氏の文に語られているように感じる。
しかしながらやはりバーンスタインの最後は泣けてきた。
中川右介氏の文章はテンポが良く、どんどん頭でイメージを膨らますことができる。
こういうのを文才というのだろう。
おそらく氏の本はほとんど読んだと思う。
帰りのバス車中にて。
自分にも最後のコンサートというのはきっとあるのだろう。
こんな風に記録されることはないだろうが、いつかやってくる。
いつも最後だと思ってやらなければならないと思っている。
次はないかもしれないのだから。