ナポレオンが1812年のロシア遠征失敗を機に失脚し、その後フランス革命とナポレオン戦争の戦後処理をどのようにするかということを、1814年ウィーンのシェーンブルン宮殿でヨーロッパ各国の代表が集まって話し合うことになった。


通称ウィーン会議。

議長はメッテルニヒ。


敗戦国であるはずのフランスからはタレーランが出席し、辣腕を振るう。


実はそのウィーン会議に、ベートーヴェンが少しばかり関与している。


ベートーヴェンは1801〜1802年の間に作曲した「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」第6番から8番を、一面識もないロシア皇帝アレクサンドル1世に献呈していた。


ベートーヴェンはこの頃から、「献呈」を通して「報酬」を得る、今で言う送りつけ商法的なビジネスをスタートさせていたのだ。

しかしアレクサンドル1世はなんのことかよくわからず報酬を支払わなかった。


当然と言えば当然だ。


しかしベートーヴェンは諦めない。


1815年にウィーン会議のためにウィーンを訪れた戦勝国ロシアの皇帝夫妻を相手取り、皇后に報酬を受け取っていない旨を伝えるのだ…!


なんだか首をはねられそうな案件だが、なんとベートーヴェンは報酬を回収する。


恐るべき執念である。


ウィーン会議の風刺画。

「絵画は踊る、されど進まず」