昨晩、外山雄三先生の訃報が飛び込んできた。


戦後の日本の音楽文化を実に「厳しく」育て、生涯現役で守られてきた重鎮。


ネット上に出ている多くの音楽家たちからの先生へのメッセージを見ていると、如何に大きな業績を遺されたか今更ながら感じている。


長く仙台フィルハーモニー管弦楽団と愛知県立芸術大学管弦楽団の音楽監督を務められていたため、僕にとっては子供の頃からずっと精神的に近い存在だったと申し上げたら烏滸がましいだろうか。


個人的にも、愛知芸大創立35周年記念オーケストラ公演、愛知芸大大学院での指揮法、日演連推薦新人演奏会での仙台フィルとの協演、スウォン・フィルハーモニック管弦楽団日本公演での展覧会の絵、オーケストラ・アカデミカでオケ中でのロミオとジュリエットなど、学生時代からプロとなってからも、サクソフォン奏者としては外山先生との関わりは多かったのではないかと思う。


最後にお会いできたのは、2018年東京国際音楽コンクール<指揮>の入賞者披露コンサートだった。


第1位の沖澤のどかさんと名古屋フィルの共演で、プロコフィエフのロミオとジュリエットの客演。


外山先生はコンクール運営側の代表としていらしていて、愛知芸大卒業生の名フィル団員、客演奏者の間では、先生が楽屋に入られたという情報で本番よりも緊張し、楽屋に挨拶に行く時には皆震えていた。


僕のピンクゴールドの派手なストラップを見て、「君の楽器は地味だからね」と相変わらずの調子で嬉しかった。


92歳。


先生との思い出は、またしたためていきたい。


先生、ありがとうございます。