1年生は初めての専攻実技試験を終えた。


音楽高校は、レッスンや実技試験がカリキュラムの中に含まれ、当然卒業するための単位となる。


中学生まではコンクール、発表会、オーディションなど、自分と親御さんと相談しながら本番を選んできたかもしれないが、音楽高校では選択の余地はない。


受けなければもちろん進級できない。


おそらくそういった本番は初めてで、今までの本番とは何か違う、音楽高校の生徒としての責任、覚悟のようなものを感じてくれていたら嬉しい。


定期演奏会などのコンサートも、ご褒美でもなんでもない。

学校の看板を背負ってお客様に音楽を届けて喜んでいただく責任がある。

ここが部活などのコンサートとは圧倒的に違う。

自分たちが楽しむことが1番で良いという立場にはない。


そして彼ら彼女らは、何百年と受け継がれてきた音楽と向き合い、抱き止め、次世代に繋げる継承者でなくてはならない。


浮き足立っていたら、継承し、背負うものたちはあまりに重いものになるだろう。

地に足をつけて背負い、受け取らなくてはいけない。



夜は名古屋フィルハーモニー交響楽団首席フルート奏者の大久保成美さんのリサイタルへ。


圧巻の演奏にまだ耳が喜んでいる。