終業式。


1年間担任をした音楽科2年生との、最後のホームルームだった。


自分が高校生の頃の担任の先生も、この日はこんな気持ちだったのだろうか。

いや、早くコイツらとはお別れしたいと思っていたに違いない。


別に学校からいなくなるわけじゃない。

彼ら、彼女らは3年生になり、僕も音楽科の教員として学校に残る。


会えなくなるわけではないのに、この猛烈な寂寥はなんなのだろう。


やっぱりそれは、担任という仕事は特別だからかもしれない。


毎朝顔を見て、たわいのない話をしたり、嬉しかったことや悲しかったことを教えてもらったり、悩みを聞いたり、時には聞いてもらったり、厳しく向き合わなければならない時もあれば、担任だからこそ彼ら彼女らを信じて手放しで見守ることもあった。


正直、良い担任だったとはこれっぽっちも思えない。

大切なことは忘れてるし、大切な時にいなかったり、不安にさせたことも多かったと思う。

でも、みんなに支えられて、今日まで歩んでこれた。


このクラスの1人でも欠けたら、今の自分はいない。


学校ってそういうとこだ。


一人一人が大好きなのだ。


このクラスに涙は似合わない。


でも今日くらいは許してほしい。


感謝。