この時期には毎年在校生はもちろん、大学を卒業した卒業生や、様々な人たちの進路を聞くことになる。
特に大学や大学院を卒業、修了した教え子たちの中には海外に留学していく者もいて、心から応援すると同時に、心から羨ましくなっている。
僕は正直、今でも留学を諦めていない気がする。
愛知芸大の大学院を出た時、東京に行く、愛知に残る、地元仙台に戻る、海外に留学するなど様々な選択肢がある中、明和高校音楽科の非常勤講師のオファーをいただくことができ、すぐに承諾した。
まったく迷わなかったのは、将来的に1番携わりたかったのは、専門教育だったからだ。
院修了と同時にその仕事に携われたのは幸運というしかない。
3年間講師を務め、最初の生徒になってくれた河合佑里奈さんの大学入学と同時に、僕は専任教員として採用された。
これも願ってもないことだった。
サクソフォンだけではなく、全般的な音楽専門教育に携わるのはさらに大きな夢だったからだ。
そこから15年経った。
今の僕は間違いなく明和高校音楽科あってのもので、それ無しには全く考えられない。
500人を超える生徒一人一人に僕は育てられた。
だからこそ、新たなことを新たな生徒達にフィードバックできるようになるために、日本以外のところに住み、学んでみたいという気持ちは年々大きくなっているような気もする。
40を過ぎた留学生など鼻で笑われるかもしれないが、学ぶのに年齢は関係ない。
少し前は、留学コンプレックスのようなものがあった気もするが、今はそうではなく、単純に海外で学んでみたいという気持ちが強い。
妄想は口に出すと何か動くこともある、なんて。