明和高校音楽科の卒業生、大橋音子さんのリサイタルだった。


彼女は昨年の名古屋演奏家育成塾の塾生としてコンサートに出演し、名古屋市文化事業団から賞を受賞し、リサイタルデビューとなった。


僕もその時のコンサートを育成塾アドヴァイザーとして聴いていたが、他のピアニストや声楽家のアドヴァイザーの方々が、「サックスってああいう音も出るんですね」と口々に仰って下さったのを誇らしく感じた。


すべてフランスの作曲家による作品がプログラミングされ、そのほとんどがマルセル・ミュールに捧げられている。

大橋さんのMCでも何度も触れられていたので、きっと多くのお客様がマルセル・ミュールの名前を覚えて帰って下さったのではないだろうか。


サクソフォンの王道レパートリーを並べるというのはある意味で「怖い」ことだったと思うが、彼女らしい潔さと鋭い感性が光り、明るい音色に彩られた、デビューとは思えない貫禄を見せた素晴らしいコンサートだった。


ピアニストも卒業生の安成さんで、2人が共に触発し合いながら演奏しているのが伝わってきて、胸にくるものがあった。