シャルル・マルヴィルというフランスの写真家が撮影した1860年代のパリの写真。




19世紀、ヨーロッパ中の音楽家を磁石のように引き寄せたというパリの様子は、現代の我々が持っているイメージとはかけ離れたものだったという。


アパートの窓からは、毎日のようにゴミや糞尿までが地面に撒き散らかされた。(余談ではあるが、このような事情で現れたのが、服を汚さない靴、ハイヒールだということだ。)


ショパンやリストの華々しい活躍は、エッフェル塔もなく、凱旋門は建設中、ましてや花の都などではなかったのだ。


リストは誰もが疑わない神童としてパリを訪れるが、パリ音楽院には外国人というだけで入学を拒否され、当時の楽壇の有力者カルクブレンナーには「すぐにぜんまいが切れるオルゴール時計」と酷評されるところからキャリアがスタートすることになる。