踏み込んだことのないラテン語の本に、やや身構えて突入したが、名著に出会った感動が大きい。


ハン・ドンイル著、教養としてのラテン語の授業。


ハン・ドンイル氏は韓国のスーパーエリート。


現在はバチカン裁判所で弁護士を務めると書いてあるが、ローマ留学を終えてから現職に就く前に数年韓国の大学で行っていたラテン語の授業の中身を書籍化しているといったものらしい。


中身はLectioⅠ〜ⅩⅩⅧまであり、毎日一つの講義をバスの中で楽しみに読んでいる。


たまにラテン語が複雑とされる、160を超える動詞の活用など専門的な講義もあるが、ベースは古典古語から眺める世界から今の自分をじっくりと観るような、読んでる間は自分と向き合う静かな時間を感じる。


昨日はヨーロッパの大学での評価はラテン語でされるという話だったが、上から


Summa cum laude 最優等

Magna cum laude 最優等の次に優等

Cum laude 優等

Bene よくできました


だという。

「よくやっている」という範疇に学生を置く素晴らしい絶対評価であり、それに引き換え韓国の教育は…とたまに自国を自虐的に語るところも面白い。


まだまだラテン語の最初の1ページにも達していないが、この本を読んでいると中世の人々、はたまた古代ローマ人を身近に感じる瞬間があったりする。


本は人と一緒で、運命的な出会いをすることがある。


そういえば浦久俊彦氏は、本棚の数多の本の背表紙が墓碑に見えるとおっしゃっていた。