飯田に帰ってきた。


この街には、「来た」というより「帰ってきた」という感覚の方が近い。


今回は音楽祭ではなく、「南信州国際サクソフォンコンクール」という明日初開催のコンクール視察、及び前夜祭として今日行われる審査委員長の雲井先生のリサイタルが目的。


コンサートもコンクールも、飯田に新しくできたサロン、「サロン・ド・タツ」で開催される。


久々に聴く先生の音は、いい音という単純な言語では形容し難い、音楽が持つ存在価値や歴史の重みが心に直接響き、揺さぶり、そして何より全ての人間が本能的に持っているであろう美への渇望を満たし、溢れるものだった。


サロンの中は、割れんばかりの拍手が鳴り止まなかった。


写真撮影が解禁されたアンコールにて。


共演の西浦颯くんは飯田出身で、現在国立音楽大学で雲井先生に師事している学生さん。


彼は中学生の頃「オーケストラと友に音楽祭」に参加していたので、その頃からよく知っているが、演奏を聴くのはとても久しぶりだった。


とても美しい音で演奏していて、同門として非常に誇らしかった。