とは言うものの、日本にも古くから音律はあった。


中国から伝わった三分損益法、そして日本独自の順八逆六法である。


何かの必殺技のようなネーミングだが、この三分損益法と順八逆六法は考え方は同じであり、順八(完全5度)または逆六(完全4度)を導き出していく方法である。


つまり西洋のピタゴラス音律とも同じなのだ。


この辺については僕もまだまだ勉強不足だが、雅楽に用いられる笙が奏でる不思議な魅力は、純正3度や倍音の魔力に近い。



はじめに「音」があった。


宇宙の調和を知るために、ピタゴラスは音について研究を続けた。


音の調和を知ることができれば、宇宙の調和を知ることができると信じて。


その探求は時代、国を跨いで紡がれ続け、今もなお終わっていないのだ。