鈴木真明地くんのリサイタル。


R.R.ベネットのスタン・ゲッツのための協奏曲、チック・コリアのソナタ、フィル・ウッズのソナタは、どれもクラシック音楽の様式に則りながら、アドリブを含むジャズの要素がふんだんに用いられる。


音色も含め、ジャズの奏法を真似事ではなく本物を知っていて、さらにクラシックのスタイルやルールのようなものに通じてないと、曲の面白さや良さは表出させられない。


彼のパフォーマンスはどれも見事だった。


さらに高校時代に書いた彼自作の「組曲」。


彼が得意とするタップダンスとピアノのみの曲を含み、今まで我々が知っている「組曲」にはない高揚を生み出しているのは、彼が普段からライブ活動の中で体験している生の音楽と反応が自然に活かされているように感じた。


最後は彼の自作の小品、「ニコ」。


サンバ調の軽快な音楽だが、こちら側には見えない深い愛情を感じる作品。


アンコールはジャズの定番、On The Sunny Side Of The Street。


ひなたの道を、彼らにはこれからも歩いて行ってほしいと心から願う。


素敵なピアニストの平手裕紀さんにも助けられ、世界中のどんなミュージシャンにも真似のできないコンサートだった。