国公立大学の入試が近づき、レッスンも正念場。
サクソフォンは、東京藝大も愛知県立芸大も(おそらく京都市立芸大も?)、一次試験にフェルリングの「48のエチュード」が課題となっている。
フェルリングが作った48曲のエチュードに、ミュールが理論上の全調版に補完させた全60曲の中から既に多数の曲が課題とされていて、当日その中から2曲が指定される。
元々はオーボエのために書かれたエチュードを、ミュールがパリ音楽院の教材のためにサクソフォン用に改訂した。
(フェルリングのエチュードについて書いた過去の記事はこちら。ミスがありますが追記で訂正し、そのままにしてあります。)
このエチュードは、日本でCD発売もされている。
サクソフォン版は雲井雅人先生と、兄弟子の林田和之さんが録音を担当されていて、どれも素晴らしく多くの受験生を助けてきた名盤である。
しかし僕はなぜだろう、なぜオーボエ版のCDを聴いていなかったのだろうか…。
オーボエのエチュードなのだから、オーボエ版もあることは容易に想像できただろうに…。
思い至ったのは、先日オーボエ専攻生たちのフェルリングの演奏を聴く機会があった時に、何かサクソフォン版からは忘れられそうになっている音楽的なスパイスを強く感じたからだ。
東京都交響楽団の広田智之さんが録音されたオーボエ版CD。
ここには、フェルリングが本来持っている息吹きが感じられる気がして、暫く何曲も聴き入った。
(オーボエ版では、「フェルリンク」と表記されている)