(Facebookの記事とほぼ同じ。)

演奏家としてのデビューというのは色々あると思うのだが、大学に入学して一番最初にお金をいただいて演奏したのがデビューだと言われれば、1年生の春「ラウンジ和子」での、サックス奏者なのにアドリブ全く吹けずバッキングに回ることになった苦い思い出ライブだろう。

そしてプロとして本当にデビューできたのだと実感でき、しかしこれからは温かい目でばかりは見てもらえないという演奏家の責任のようなものを肌で感じた本番は、2003年1月、沼尻竜典氏の指揮で名古屋フィルハーモニー交響楽団とマルタンのバラードを演奏させていただいた時に他ならない。

その後客員奏者として時には思いっきり指揮者に捕まって僕のせいでリハーサルが止まったり、時にはリズムが甘かった僕に休憩中打楽器奏者の方にティンパニでアドヴァイスをいただいたり、時には燕尾服なのに花柄のシャツで会場入りしてしまい開演直前までシャツを買いに奔走したそんな僕を懲りずに育て、鍛え、奏者としてカッコつけさせてくださっている名古屋フィル。

8月18日、18年半ぶりに再びソリストとして共演させていただく。

自分の演奏をというのももちろんだが、ボロディンとチャイコフスキーの名曲と共に、グラズノフの素晴らしい音楽を1人でも多くの方に聴いていただきたいと願っている。

チケット発売は来週6月24日、マルセル・ミュールの120歳の誕生日。

新進気鋭の大注目指揮者、坂入健司郎さんとの出会いも楽しみ。