またアンサンブルコンテストの続きになってしまう。

僕が中学高校の頃は、アンサンブルコンテストでは、フルートアンサンブル、クラリネットアンサンブル、サックスアンサンブル、金管アンサンブル、打楽器アンサンブルと、同属楽器の編成で大体ラインナップは決まっていた。

しかしこれでは、確かにオーボエやファゴットのような楽器がアンサンブルを組みにくいのと、人数が少ない学校では立ち行かない。

三重奏作品が発掘されたりはしたが、やはり人数が多いクラリネット八重奏や金管八重奏には勝ち目がないという判断だろうか、台頭してきたのが混成アンサンブルだ。

混成というのは本当に様々で、今や日本が世界でその先駆となり、たくさんの作品が生み出され、名作も数多いと思う。

ただ、様々な楽器を使用するので単純に合わせるのが難しい。
発音や音色を揃えるのが困難で、誤魔化しは効かず、クラリネット八重奏の中に密かに混ざって実は数音しか吹いてない1年生のような立ち回りはできない。

成功している団体と、うまくいっていない団体が両極端なのだ。

そしてそれに輪をかけ、フレキシブルという存在が暗躍している。

つまり音域によっては、なんの楽器を使ってくれても構わないということだ。

確かに少子化の中様々な事情を抱える学校にとっては、地獄に仏のような存在かもしれない。

しかし、全員を大会に出すためにか、またなるべく大きな編成でやるためにか、同属楽器が人数揃っているのにも関わらず、混成を編成し、残った1年生にフレキシブルアンサンブルをさせ、銅賞を受賞させる。

そんな学校が、もちろん憶測ではあるが少なくない気がするのも事実だ。

もちろん、そういった学校でも顧問の先生が丁寧に見てるんだろうなと感じる微笑ましい団体もあるが、他の同校団体との差があまりにあり、ほったらかしだったことが推察される哀れな団体もあると言わざるをえない。

もちろん哀れかどうかは当人たち次第なので僕の価値観では決められないし、各校の事情も知らずにこんな地下で喚いているのはずるいと思われるかもしれないが、実はポツポツと審査などの折に口には出しているし、審査講評を閉会式で仰せつかった時には、ぜひ同属楽器のアンサンブルを体験し、学んでほしいと公言している。

アンサンブルコンテストなのか超小編成吹奏楽コンクールなのかわからない瞬間があるのだ。

色んな価値観があって当然だが、最も大切にしなければいけないのは、生徒一人一人の音楽をする喜びだということは、きっと共感してもらえるのではないだろうか。

独り言、戯言。