TOP-TONES for the SAXOPHONE

4オクターブを自在に操った、シグルト・ラッシャーのベストセラー。

ラッシャー自身がトップトーンと呼んだ、高音域のトレーニングに特化したエクササイズ、と思われがちだが、前半は丁寧な音作りから始まる。

ダイナミクスの完璧なコントロールの仕方や、完全5度や完全4度の音程をしっかりとイメージしながらの、ソルフェージュを強く意識したロングトーンのトレーニング。

そして自然倍音のエクササイズへと繋がっていく。

そしてそれをこなしていくと、ラッシャー自身が20種類以上の楽器で試したという、フラジオ音域の完璧な運指表が登場する。

4オクターブの音域を網羅できるテクニックを育てることで、通常音域の音色も磨いていくというラッシャーならではの理論に基づいた名著、学習者は必携かもしれない。


表紙をめくると登場するラッシャーの有名な写真。

右手に持つのはアドルフ・サックス社製のビンテージ楽器、左手に持つのはトレーニングのためにラッシャーが提案しブッシャー社が制作した、キー、タンポなど全く無しの完全なパイプサックス。

共に4オクターブを操ったと言われる。