20世紀の巨匠指揮者、オットー・クレンペラーのバッハ、ブランデンブルク協奏曲全曲と、モーツァルトのアイネクライネナハトムジークの2枚組CD。

1946年録音。

ブランデンブルク協奏曲第2番のソロトランペットは、なんとマルセル・ミュールのソプラノサクソフォーンだというのだ。

バッハ没後200年の1950年に、伝説的チェリストのパブロ・カザルスの元にクララ・ハスキル、ホルショフスキ、アイザック・スターンなどの大巨匠が集まった第1回プラード・カザルス音楽祭で、ミュールが演奏したというブランデンブルク協奏曲第2番よりも前の演奏。

カザルスはこれを聴いてミュールを指名したのだろうか。

とにかく、サクソフォンがこんなにごく自然で忠実な形で、バッハの音楽に含まれている、最初で最後の例ではないだろうか。

羨望。



今日は3年生のレッスン日。

生徒の準備もそこそこにおもむろにCDを流して、なんか気づいたこと言ってと無茶振り。

生徒たちはそれぞれ困惑しながら聴き入るが、さすが3年生、勘が良く、

「トランペットがなんか…」

なんか何?と詰め寄りながらニヤニヤし、マルセル・ミュールのサックスだよと言った時のまん丸にした目を、今日は3回楽しんだ。

その後ほぼミュールやラッシャーの話で盛り上がり(一人で)、ほとんど演奏を聴かなかったが、こんな日もたまには必要なんじゃないかと思うのは酷い言い訳かもしれない。。