廊下を歩けば四方八方から、歴史の話や土地の話、文学の話や数式の話、微生物の話や英会話、音楽棟に帰ってくればフルートの音階練習、プロコフィエフのソナタ、ショパンのエチュード、クレストンのソナタ、誰かのアリア、教室に入れば笑い声にたまの奇声。

これが明和高校の音だ。

音が戻ってきた。

もうどこにも行かないでおくれ。


みんな、おかえり。