顕現節(1月6日)後の第1日曜日には、12歳になったイエスが神殿で両親とはぐれ、教師たちと議論していたという話(ルカ2,41‐52)が読まれた。この日のために書かれたカンタータ(BWV154,124,32)のどれもが、イエスが失われることに対する恐れを描いている。BWV32では子供である筈のイエスがバスで歌われ、人間の魂を表わしたソプラノと対話するのが面白い。
大抵の年では元日と顕現節との間に日曜日が存在するが、今年は存在しない。以下、簡単に触れておく。
新年後第1日曜日は、マタイ2,13‐23の、ヘロデ王がイエスを恐れてベツレヘム周辺の幼児を皆殺しにしたという逸話がテーマであるので、苦難にあるキリスト者の想いが表出されるものとなっている。BWV153のテノール・アリアにおける嵐の描写などはその最たるものである。BWV58は、イエス(バス)と魂(ソプラノ)との対話曲。