昨日は図書館でセバスチャンとまったりと過ごして
きました。
彼は借りる本を決めるのがとてつもなく早いのですが
私だって色々と読みたいのです。
待つことが嫌いなセバスチャンに
「ここでお母さんは本を読むよ。だから待ってね。」
と、居る場所(座る場所)を明確にすることで怒ることなく
側で静かに本を読めるようになってきました。
そして、どちらからともなく
「そろそろ帰ろうか。」
と、声をかけるのです。

いつもこんな感じです。
借りる本をさっさと決め、その本を読むセバスチャンと
何を借りるかまずは「ダヴィンチ」を読んで考える母。
本の趣味が違いますからね。(笑)

彼は作曲家の生誕を記憶することが大好きです。生誕に限らず「年号」を記憶することが好きなのかもしれません。ある時、「お母さん、年号はとてもわかりやすいんだよ。」こんなことを言いました。その後気付いたのですが、彼は二桁の引き算もできないのに「25歳の人は西暦何年生まれ?」「1980年。」「94歳の人は?」「1911年。」こういう質問に一瞬で答えるのです。即答するので引き算して答えを出しているのではないと容易に分かります。*ちなみに「曜日」は言いません。自閉症の人の中には 「199○年4月○日は木曜日。」 と、西暦を聞くと一瞬で何曜日かを答える人もいます。 西暦と生まれ月で干支を言い当てる人もいますね。こんなこともありました。「あ~あ、僕は1998年生まれになりたかったなぁ。」「なんで?」「だって、1998年生まれは今年小学1年生になるんだよ。 中学生より小学生の方がいいよ。」なんでも西暦で考えるセバスチャン。その謎を知りたくて、さりげな~く彼に質問してみました「なんで年号がわかりやすいの?」(この質問をする時、正直ドキドキワクワクしていました。 だって、セバスチャンの口から自閉症の人によくある 『記憶回路の謎』の説明が聞けたら、専門書を読むよりも 研修に行くよりも、私にとってはすごいことなのです。)「・・・・・。」「なぁ、セバスチャン。」「もうその話はいいよ!!教えない。」あ~~~~~、残念!!もうちょっとだったのになぁ。彼らの「謎」が解明できるかも・・と、淡い期待を抱いた私。手品のタネのヒントを少し教えてもらって、「それならいっそ全部教えて!!」と頼んでマジシャンに断られた気分です。(笑)セバスチャン、その気になったら教えてね。
セバスチャンには大好きな先生がいます。
小学3年生と5年生の時の担任のT先生です。

T先生は今もセバスチャンのよき恩師であり
私の母の友人でもあります。
(ちなみにT先生と母はセバスチャン卒業後の
 お付き合いです。)
今晩は久しぶりにT先生が我が家に遊びに来られて
いました。T先生は懐かしい匂いのする先生です。目がやさしく、声がやさしく、そしてゆったりとした話し方をされます。体育や集団行動が苦手だったセバスチャンに寄り添い、常にやさしい言葉をかけて少しずつ参加できるように見守ってくださいました。。その様子を見たクラスの子ども達が変わりました。セバスチャンがクラスの中でお客様扱いされないようにクラス全員に向けて「生の言葉」をかけられていました。T先生のクラスは全員で日記を書いていました。毎日続けていると、驚くことに書く内容が変わってきます。そして、その日記を壇上に上がり一人ずつ発表します。セバスチャンはいつも一番です。(笑)毎日大きな声で発表していました。思いが声になり、声が人に伝わるということを日記を通して皆が学びました。セバスチャンに関係することを日記に書く子どもも多かったので、その度に先生は「ほら、こんなことをあの子が書いているんですよ。」そう言って誇らしげに私に見せてくれました。セバスチャンが「日本語」を好きになったのはT先生からたくさんのきれいな言葉をかけていただいたからだと思います。さすがのセバスチャンもT先生の言うことは素直に聞きます。なんでだろ?わかりました。「愛」が見えてるな。(笑)包み込むような瞳やさしい言葉やはり、T先生は『北風と太陽』の太陽です。T先生、これからも宜しくお願いします。私はまだまだ彼にとっては北風なので・・(笑)
83a7a802.JPG明日からいよいよ2年生としての生活がスタートします。
セバスチャンは、
「明日は新しいクラスでのはじめての授業だから
 早くお風呂に入って寝るよ。」
そう言ってさっさとお風呂に入っていました。

とても潔く、前向きな言葉ですが、こういった行動に
至るまでに大変な葛藤がありました。4月8日金曜日、新しいクラスと先生の発表がある日です。彼は当日の朝に大爆発をしました。「中学校には行かない!!僕は○中学に転校する!!」(養護学校はあきらめ、今度は別の中学校の名前を 言ってきました。)10分ほど様子を見ましたが一向に収まりません。あらん限りの声で叫んでいました。「わかったセバスチャン。今から車に乗りな。」「え?なんで?」「ご希望通り○中学に連れて行くよ。さぁ行くで。」「え?今日はクラス替え発表のある日だよ。」「いや、いいよ。辞めたいんやろ。じゃぁリセットすればいい。」そして車に乗りました。彼も顔を強張らせながらも車に乗りました。車のエンジンをかけました。「おしっ、今から行くで。ただし、この車が出発したら 1年間通ったN中学とはお別れや。いいな。 二度と行くことはないで。お母さんは一度言ったら その通りにするということはよく知っているよな。 いいかい?セバスチャンはこれからどの中学に通う つもりや?いい加減に答えたらあかんで。」「うっ、答えられない・・。」「何言うとんねん。こっちは真剣に聞いてるんや。 よう聞きや。お母さんはな、真剣に生きとるんや。 いい加減に生きてるんと違うで。働くってことは あんたが中学に行くことと同じぐらい大変なんや。 こっちは大真面目なんやで。ふざけたらあかん。」「う~~~・・・。」(ポロポロ涙をこぼす)「あんたがしんどいのはよくわかってる。でもな、 たくさんの先生が一緒に考えてくれるって言うてるんやで。 あんたがここで逃げてどうするねん。 どうにもこうにもしんどいんやったら、行かんでもええ。 せやけど、あんたは適当な学校の名前を出して転校するって 言ってる。これはあかん。具体的やない。」「でも、いやなんだよ。」「新しい先生やクラスの友達も見ないうちにかい?」「う~・・。」「おしっ、セバスチャンは○中学に行きたいんやな。 それやったらかまへん。行こう!!さらば、N中よ!!」「ちょ、ちょっと待って!!」「なに?」「2年間N中学に行きます。」「ふ~~ん、それほんま?」「はい。本当です。」「無理せんでいいよ。○中学でもいいやん。もっと言ったら 学校に行かんでもいいで。」「いや、それは困る・・。」「武士に二言はないって言葉知ってるな。選んだらそっちに 進むんやで。」「うん。」車を降りていつも通りに学校に向かいました。彼は終始、私の『目』を見ていました。普通は怖い時は目を逸らすものなのに、セバスチャンは窮地に立つほどに相手の『目』を見ます。帰宅した彼は、「新しいクラスはY先生だったよ。月曜日はクラブがあるからね。」とてもさらっとしていました。でも、本当はものすごくしんどかったのだと思います。親が子と向き合う中でのやりとりに正解はありません。ただ、「真剣」であるかどうか。そこを子どもは見ているような気がします。あと2年・・・。きっとまた色んなことがあるのでしょう。でも、まぁ何とかなるかな。(笑)これが本当の♪母のんきだねぇ♪「やるときゃやる」で、いいんじゃないでしょうか。一人前になるまで、あともうちょっと時間がありますから。