僕はラジオ」の続きを打ちたいと思います。
理由は・・・。

まぁ、読んで下さい。


今日のblogは読んで下さっているであろうセバスチャンの
学校の先生に捧げます。

通称「ラジオ」は、スーパーマーケットのカートを押しながら毎日高校の周辺を歩いています。アメリカンフットボールの練習をネットの向こうからいつも熱心に眺めています。カートの中にはラジオ。軽快な音楽が流れています。ある日、ボールがネットを飛び越えてラジオの前にポトリと落ちます。「ボールをこっちへ投げろ。」ネットの向こうにいる高校生が言いますが、ラジオはボールを返さず持って帰ってしまいます。それから数日後、ラジオは彼らに手足をテープで固定され、物置の中で袋叩きにされます。それを見つけたフットボールのコーチが彼を助け、そこからコーチとラジオの心の交流がはじまります。彼はフットボールチームの雑用を手伝い、高校の中を自由に出入りすることを許されます。少しずつ、少しずつ、ラジオがいる生活がみんなの中で当たり前になっていきます。けれどある日、フットボールチームの数人が「ラジオのやつ、ちょっと調子に乗りすぎだ。 いっちょ懲らしめてやろうぜ。」ある企みを考えます。「おい、ラジオ、○○先生がお前を探していたぜ。 女子更衣室にいるから早く行けよ。」ラジオは困惑します。「入っちゃだめ。そこは入っちゃだめ。」彼らに精一杯の言葉で返しますが「先生しかいないから大丈夫だよ。早く行けよ。 先生が待ってるぞ。」ラジオは女子更衣室に入って行きます。すると、そこには着替え中の沢山の女子がいました。「キャー!!ラジオ、入っちゃだめでしょ!!」ラジオは頭を抱えて逃げ出します。誰よりもショックを受けたラジオ。コーチがラジオに聞きました。「誰に更衣室に行けと言われたんだ?」ラジオは誰の名前も言いませんでした。彼は、復讐が怖いのではありません。名前が分かってしまうと、コーチがいたずらをしたフットボールのメンバーに対して「罰」を与えるということを知っていたからです。以前彼が袋叩きにされた時に、メンバーが終わりのない特訓を受けていた場面を、ネットの向こうで見ていたのです。コーチはそのこと(ラジオが名前を明かさなかったこと)を主犯格の生徒に伝えました。「お前を売ったのは、ラジオじゃなくてメンバーの奴らだよ。」彼は謹慎処分という罰を与えられました。謹慎が解けた彼はまたチームに戻ってきました。彼のロッカーには、「字」には見えないみみずのような文字が書かれた手紙と、携帯ラジオが置かれていました。ラジオと彼はそこから大の仲良しになりました。今も、ラジオはハナ高校でフットボールチームの助手をしています。私が日曜日のblogで「泣いた」と書いたエンドロールは、おじさんになっている本物のラジオが、素晴らしい勇姿を見せてくれていたからです。ラジオはおじさん、コーチはおじいさんになっていました。30年以上のお付き合い・・・。いいなぁ、そんな付き合いがセバスチャンにもできないかなぁ。今回学校で起きた問題について、セバスチャンもまた、名前を明かさないと思います。だって以前こんなことを言ってましたから。「お母さんが怒ったら、とてもとても怖いから 怒られる人は気の毒だ。」失礼だなぁ。お母さんは「罰」なんて与えないよ。ちょっとその子と話がしたいだけだよ。きっと何か理由があるはず。(セバスチャンも悪いからなぁ。)そこをお母さんは知りたいんだよ。でも、絶対に繰り返してはいけない問題だから早急に手は打たないといけません。セバスチャンにしてはいけないというよりも、誰に対してもしてはいけないことなのですから。「許さない」ではなく、「許す」ことをお互いに知ってほしいのです。今なら、まだ間に合います。呑気ですみません。真面目に考えてはいるんですが、性格ですかね。(笑)
今日の午前中、セバスチャンと二人で眼科に行きました。
「セバスチャンと二人で眼科へ・・・」
さらっと書いていますが、すごいことなんです。

保育所、小学校低学年までは
『床屋』、『公共交通機関』、そして『病院』
はとても苦労しました。
めちゃくちゃ大変だった・・・。

これは自閉症という障がいをもつ子どもと暮らす上での
登竜門のようなものですね。(笑)
まず床屋。座れない、髪を切らせない(触らせない)ので、小学校に上がるまでは寝ている間に自宅で切っていました。そこから近所の床屋に事情を話し、協力してもらって立ち歩くセバスチャンを追いかけて切ることろからスタート。そこからなんとか座れるようになり、徐々に着席できる時間も伸び、今では美容院で普通に髪を切られながら本を読んでいます。(笑)次に公共交通機関。乗れなかったなぁ。何度途中下車したことか・・・。療育のため月2回ほど母子でセンターに通っていましたが毎回ドキドキでした。どの駅で癇癪を起こすか、どのあたりで大声を出して暴れるか、腫れ物に触るような気持ちで祈るように電車に乗っていましたね。今は「どこまで乗るの?」「そこ、ほらそこに書いてるやん。梅田で降りるんやで。」「わかったよ。」こんな感じです。最後に病院。くぅ~~、これは泣きました。検査も大変でしたが日常的にお世話になる内科、耳鼻科、歯科は特に大変でした。「かかりつけ」になってもらうために診察の前に事情説明からはじめます。経験上で言えることは、保育所あたりから「校医」と同じお抱えドクターが必ずいますので、その先生をかかりつけにすると理解も対応も早いですね。ちなみにセバスチャンは歯科については保育所に来ていた近所の先生を勝手に「セバスチャン担当」にしました。はじめて歯医者に連れていった時は、お友達親子と一緒に行ってもらいました。でも、やっぱり待てなかった。冬でなかったので私とセバスチャンは外で待ち、順番がきたら友達が呼びに来てくれました。診察室に入ると大パニックを起こし、あまりに興奮しすぎて嘔吐してしまいました。何もしていません。診察室に入っただけで叫んで嘔吐。この日は診察を中止しましたが、待合室でセバスチャンの叫び声を聞いていた男性が「しつけが悪すぎる!!何を考えてるんや!!」と、私を睨みつけて言い放ちました。(この言葉、スーパーでもよく言われました。 人の集まるところでは必ずパニックを起こしていましたから。)その言葉を聞いて、大きな声で先生に「先生、ほんまにすみませんでした。 次回はもう一回、診察室に入るだけの練習をさせて下さい。 で、次は座るだけ。その次は器具を見せるだけ。 そうやって少しずつ子どもが受け入れることができるように 協力してもらえませんか? もしもここで診察してもらえなかったら、遠方の障害児専門の 歯科に通うことになってしまいます。 無理だとわかればそうしますが、今はまだわかりません。 どうか協力して下さい。」先生は「わかりました。なんとかがんばってみましょう。」そう言ってくれました。文句を言った男性は下を向いて黙っていました。翌週、またその男性と待合室で一緒でした。セバスチャンは騒ぎませんでした。椅子に座る練習だけをして、静かに帰りました。男性は、何も言わずただ座っていました。怒っている顔ではなかったので「まぁいいか・・。」そう思って軽く会釈だけして帰りました。この歯科の先生とは10年近くのお付き合いになります。セバスチャンは歯をとても大切にしているので最近はめっきり行く用事がなくなりました。(笑)先生はかなりセバスチャン好きです。私一人が診察で行くと、決まって「セバスチャンは元気かぁ?虫歯ないから全然来て くれへんなぁ。」と、ちょっと残念そうに近況を聞いてくれます。そして今日の眼科です。はじめて行く病院。はじめての眼科。1時間も待たされたのに・・・普通でした。あまりに普通に診察を受けていたのでただただ驚いていました。ああそうかこれが積み上げるということか少しずつ、少しずつ、色んなことが当たり前になっていくのでしょう育っているんだなぁ
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金曜日の夕方、清掃実習に
行っているKさんの様子を
見に行きました。
首からタイマーをぶら下げ、
まっすぐな目で一生懸命
掃除をしていました。




この写真は指示された清掃箇所を自分で
記入し、終わったらひとつずつ○をつけていく
ためのシートです。
彼女は口頭のみではなかなか指示が入りません。
支援するスタッフが「彼女に合うもの」を考えて
作業の流れと時間が「目で見てわかるように」と
作成しました。
色々試してみましたが、この書式が本人も一番使いやすい
そうで、作業効率もかなり上がりました。

私の姿を見つけると、
「あっ、にいさんだ!!今日は○将に行く日ですね。
 仕事が終わったらすぐに着替えますからちょっと
 待っていて下さい!!」

Kさんと彼女をサポートしているMさん、私の3人で
○将へ向かいました。
いつもにも増して餃子が美味しかったですね。(笑)
Kさんも大変満足してくれたようで、次回の食事の約束も
しっかりとして、
「今日はありがとうございました。
来週もがんばりま~す!!」
そう言って弾んだ足取りで帰って行きました。


彼女は言葉で指示されると、必ず「わかりました。」と言うのですが、清掃時間をオーバーしたり、作業途中で他の場所が気になり、作業を中断して別の作業を独断で進めたりしていました。そして、「どうして指示された通りにできないのか?」という指摘を受けるとパニックになってしまいます。パニックを起こすと適切でない言葉がたくさん出てしまいます。周囲の人が聞くと《屁理屈》や《言い訳》のように聞こえてしまう彼女の発言は一度出てしまうと止まりません。でも、その言葉は彼女の本意ではないのです。たくさんお喋りできるのに、本当の言葉が出ない・・・。一番辛いのは彼女でしょう。話せば話すほど、周囲の表情が曇っていくのです。伝わらない思い。「つなぐ」ために動きました。時間をとって、彼女と二人で話し合いました。泣きながら、自分の思いのありったけを彼女は私に訴えました。その言葉は、昨日今日の思いではありません。長い年月、ずっとずっと押し込めてきた思い・・・「何をやってもだめなんです!! 何をやってもうまくいかない!! 一生懸命がんばっても、いつも失敗ばかり!! みんなより仕事も遅い、もういやだ!! 何もかもいやです!!」彼女は声を出して泣きました。おいおい泣きました。ただただ黙って見守りました。そして、最後は私から「明日は会社に行くんだよ。まだ私との約束を果たしてないやん。 それが済んだら、ほんまに嫌やったらやめてもいいよ。 まぁ、やめるのはいつでもできるから、一回やってみたら?」約束。それは「タイマー」を使って掃除をすることです。集中すると時間が見えなくなってしまう彼女に時間が見える方法を提案しました。彼女はこの方法でトライしてみると約束していながらまだ実行していませんでした。「やっても無駄。」そう思っていたようですが、一旦「やってみる。」と、自分で約束したのですから、無駄かどうかはやってから決めればいいのです。そこだけをシンプルに伝えました。今は、タイマーを使って着実に作業ペースが上がってきているそうです。彼女のよいところは、「丁寧さ」です。「丁寧すぎて」時間がかかっていたところが、時間が見えるようになって「すぎる」が緩和されました。つまり、彼女の中で「妥協」が生まれてきたのです。折衷案が、私は好きです。双方の言い分を聞き、その間から答えを見出す方法。その時々によって間ではなく、どちらかに偏ったりすることもあるかもしれませんが、まずは言い分を聞く。とても大切なことだと思います。Kさんは、「泣いてすっきりしましたぁ。」と、言ってました。Kさん、また餃子を食べに行きましょうネ!!あ、「また」じゃない。ちゃんと「日」も約束していたんだ。(笑)約束は、私も守りますよ。あなたの笑顔が私達は大好きです。これからも宜しくお願いします。