1学期の個人懇談(進路相談)でのお話です。
担任の先生から
誰も予想していなかった急激な成長がこの2年半で見られた。
入学当初、高校進学はまず困難だと思っていたが、今の評価
(内申書)なら養護学校、専門学校、知的障がい児受け入れ枠
での高校進学、そして一般の高校受験も可能だと思う。
そんなことを言われました。
誰もが予想しなかった成長・・・
そうなんです。
親も、今まで関って下さった全ての先生方も、もっと言えば
セバスチャンを自閉症+知的障がいと診断した医師も、
就学前に3年間個別療育して下さった心理の先生も、誰もが
予想しなかった「多くの選択肢」が今、彼の目の前に
あるのです。
一番驚いていたのは当の本人でした。
総合評価を聞き、
「え??本当?」
と、目を丸くしていましたから。
本人は、学年で成績が一番下だと思っていたからです。
この懇談の後、彼は体調を崩しました。
考えすぎて胸が苦しくなったそうです。
胃も痛むと訴えるので病院に行ったところ、
「ストレスかもしれませんねぇ。」
そう言われました。
成長することは確かに素晴らしいことです。
でも、苦しいことでもあるのだと思います。
多くを語らず一日静かに見守り、その日の夜に
タイミングを見計らって彼に聞いてみました。
私「なぁセバスチャン、何をそんなに悩んでいるの?」
セ「おれが想像するより成績がよかったからびっくりした。
もっと勉強して一番になるんだ。」
私「うーん、セバスチャンはベベタ(ビリ)か一番がわかり
やすいんやろうなぁ。」
セ「一番になりたい。おれは負けず嫌いなんだ。」
私「勉強で一番は無理やって。それやったらもっと別のことで
一番になりぃな。」
セ「例えば提出物とか?」
私「うーーん、それも脅迫的になるからなぁ。
号令係りで一番になったらどう?」
セ「それなら大丈夫。」
土台は小学校でつくってもらっていましたから、
その土台を使って2年半で先生方に支えてもらいながら一気に
伸びていったのでしょう。
しかし、「よく見える眼鏡」をかけてしまったセバスチャンは
見えすぎていることに大層苦労しています。
本人の苦しみに障がいが重いとか軽いとかは
関係ないのです。
障がいが軽いとされている人、ボーダーと言われている人は
「知るも地獄、知らぬも地獄」
そういう時期を通ります。
セバスチャンが今、正にそれです。
進路を考える中で
人との違いをはっきりと知ってしまったのです。
知って、「普通」に憧れ、「普通」になりたいと
切に願っているのです。
実体のない「普通」を必死で目指すセバスチャン・・・。
障がいをもつ人達の就労支援を進める中で、
「学歴」はあまり関係ないということを感じています。
大切なことは学力よりも総合的な生きる力とでも言うの
でしょうか、ポジティブな人間関係の中で「自信と誇り」
をもった生活を送ることができるなら、どのような選択肢で
あっても構わないのです。
あと、恩師がいるかいないか。
素晴らしい人との出会いがあるかないか。
そう。出会いです。
ここも大きいと思います。
ハタ(周囲)が見てどうこうとか、オカンの希望とか、
そんなもんありません。
「暮らし」は続きます。どこまでも。
その、「暮らし」を積み重ねた結果、周りと同じように
彼らも大人になっていくのです。
そう考えると、学校はやっぱり大切です。
日々を積み重ねる場所ですからね。
見えるようになったことに対する喜びと苦しみが、1学期を
振り返ったセバスチャンの感想の中に書かれていました。
興味のある方はもう少しお付き合いください。
1学期の自分を見つめよう!!【学習面で頑張れたこと、頑張れなかったこと】頑張れた事は授業前の取り組みが2年よりできたこと。できなかったのはふざけることがあったこと。【行事活動で頑張れたこと、思い出に残っていること】・修学旅行・・食事係りのO君の分もやっておいたこと。 先生なしで班行動ができたこと。・球技大会・・チームのために精一杯応援したこと。 最後まであきらめずがんばったこと。・水泳大会・・クロールをせいいっぱい泳いだこと。 泳ぎが速くなっていたこと。【班の活動で頑張ったこと】はりきって大きな声でみんなに気合を入れ、号令したこと。日直を最後まで頑張ったこと。【クラブ活動で頑張ったこと、つらかったこと】キャプテンらしく(セバスチャンは部長です)ちゃんと指導ができたこと。部員がふざけ合ったことが多かったこと。【友達づくり 友達との関係でよかったこと、つらかったこと、努力したこと】2年より3年の方が関係が広くなったこと。友達に物をとられたことがつらかった。努力したことは最後まであきらめなかったこと。【一番頑張れたこと】班のみんなとのかかわりを大きく広げていったこと。【一番頑張れなかったこと】みんなに少し迷惑をかけてしまったこと。【一番印象に残っていること】明るい生徒や面白い生徒がいてよかった。【クラスの中で起こった、心が安らぎほのぼのするような出来事】このクラスの中で面白い話やハプニングが起こったこと。【自分の進路について、どのように努力できたか】進路に向けてこれからどうするかという事を考える事ができたこと。【クラス全体として】自分のことをよく分かってくれる人が多くなっていったこと。多少いじめをする人もいたが、今では優しくしてくれていること。【二学期に向けて、今以上のクラスや仲間をつくるのはどうすればいい?】これからは、いろいろつらい事を乗り越えていき、つらい事はあまり気にせず、勉強も最後までどんどんやっていくこと。【クラス全体として】これからは、僕に対していじめをかけてくる人を少なくしてほしい。けんか、迷わくを絶対になくし、いいクラスにしていくこと。ちなみに、自己評価は幾つかの項目に分かれていて評価基準はA~Gまであります。質問数が10問と限られている中、セバスチャンは自己評価でAが3つありました。その3つとは??・8時25分に着席できてたか?→A(8時10分登校を繰り返しているから。)・委員、係りの仕事に取り組めたか?→A(号令は大変よくやっていた。)・クラブ活動(琴部)に取り組めたか?→A(新しい先生ともうまくやっている。)セバスチャン、がんばりすぎんでもいいで。でも、「加減」が難しんだろうなあ。いいタイミングで夏休み。ちょいとのんびりしましょうかね。
担任の先生から
誰も予想していなかった急激な成長がこの2年半で見られた。
入学当初、高校進学はまず困難だと思っていたが、今の評価
(内申書)なら養護学校、専門学校、知的障がい児受け入れ枠
での高校進学、そして一般の高校受験も可能だと思う。
そんなことを言われました。
誰もが予想しなかった成長・・・
そうなんです。
親も、今まで関って下さった全ての先生方も、もっと言えば
セバスチャンを自閉症+知的障がいと診断した医師も、
就学前に3年間個別療育して下さった心理の先生も、誰もが
予想しなかった「多くの選択肢」が今、彼の目の前に
あるのです。
一番驚いていたのは当の本人でした。
総合評価を聞き、
「え??本当?」
と、目を丸くしていましたから。
本人は、学年で成績が一番下だと思っていたからです。
この懇談の後、彼は体調を崩しました。
考えすぎて胸が苦しくなったそうです。
胃も痛むと訴えるので病院に行ったところ、
「ストレスかもしれませんねぇ。」
そう言われました。
成長することは確かに素晴らしいことです。
でも、苦しいことでもあるのだと思います。
多くを語らず一日静かに見守り、その日の夜に
タイミングを見計らって彼に聞いてみました。
私「なぁセバスチャン、何をそんなに悩んでいるの?」
セ「おれが想像するより成績がよかったからびっくりした。
もっと勉強して一番になるんだ。」
私「うーん、セバスチャンはベベタ(ビリ)か一番がわかり
やすいんやろうなぁ。」
セ「一番になりたい。おれは負けず嫌いなんだ。」
私「勉強で一番は無理やって。それやったらもっと別のことで
一番になりぃな。」
セ「例えば提出物とか?」
私「うーーん、それも脅迫的になるからなぁ。
号令係りで一番になったらどう?」
セ「それなら大丈夫。」
土台は小学校でつくってもらっていましたから、
その土台を使って2年半で先生方に支えてもらいながら一気に
伸びていったのでしょう。
しかし、「よく見える眼鏡」をかけてしまったセバスチャンは
見えすぎていることに大層苦労しています。
本人の苦しみに障がいが重いとか軽いとかは
関係ないのです。
障がいが軽いとされている人、ボーダーと言われている人は
「知るも地獄、知らぬも地獄」
そういう時期を通ります。
セバスチャンが今、正にそれです。
進路を考える中で
人との違いをはっきりと知ってしまったのです。
知って、「普通」に憧れ、「普通」になりたいと
切に願っているのです。
実体のない「普通」を必死で目指すセバスチャン・・・。
障がいをもつ人達の就労支援を進める中で、
「学歴」はあまり関係ないということを感じています。
大切なことは学力よりも総合的な生きる力とでも言うの
でしょうか、ポジティブな人間関係の中で「自信と誇り」
をもった生活を送ることができるなら、どのような選択肢で
あっても構わないのです。
あと、恩師がいるかいないか。
素晴らしい人との出会いがあるかないか。
そう。出会いです。
ここも大きいと思います。
ハタ(周囲)が見てどうこうとか、オカンの希望とか、
そんなもんありません。
「暮らし」は続きます。どこまでも。
その、「暮らし」を積み重ねた結果、周りと同じように
彼らも大人になっていくのです。
そう考えると、学校はやっぱり大切です。
日々を積み重ねる場所ですからね。
見えるようになったことに対する喜びと苦しみが、1学期を
振り返ったセバスチャンの感想の中に書かれていました。
興味のある方はもう少しお付き合いください。
1学期の自分を見つめよう!!【学習面で頑張れたこと、頑張れなかったこと】頑張れた事は授業前の取り組みが2年よりできたこと。できなかったのはふざけることがあったこと。【行事活動で頑張れたこと、思い出に残っていること】・修学旅行・・食事係りのO君の分もやっておいたこと。 先生なしで班行動ができたこと。・球技大会・・チームのために精一杯応援したこと。 最後まであきらめずがんばったこと。・水泳大会・・クロールをせいいっぱい泳いだこと。 泳ぎが速くなっていたこと。【班の活動で頑張ったこと】はりきって大きな声でみんなに気合を入れ、号令したこと。日直を最後まで頑張ったこと。【クラブ活動で頑張ったこと、つらかったこと】キャプテンらしく(セバスチャンは部長です)ちゃんと指導ができたこと。部員がふざけ合ったことが多かったこと。【友達づくり 友達との関係でよかったこと、つらかったこと、努力したこと】2年より3年の方が関係が広くなったこと。友達に物をとられたことがつらかった。努力したことは最後まであきらめなかったこと。【一番頑張れたこと】班のみんなとのかかわりを大きく広げていったこと。【一番頑張れなかったこと】みんなに少し迷惑をかけてしまったこと。【一番印象に残っていること】明るい生徒や面白い生徒がいてよかった。【クラスの中で起こった、心が安らぎほのぼのするような出来事】このクラスの中で面白い話やハプニングが起こったこと。【自分の進路について、どのように努力できたか】進路に向けてこれからどうするかという事を考える事ができたこと。【クラス全体として】自分のことをよく分かってくれる人が多くなっていったこと。多少いじめをする人もいたが、今では優しくしてくれていること。【二学期に向けて、今以上のクラスや仲間をつくるのはどうすればいい?】これからは、いろいろつらい事を乗り越えていき、つらい事はあまり気にせず、勉強も最後までどんどんやっていくこと。【クラス全体として】これからは、僕に対していじめをかけてくる人を少なくしてほしい。けんか、迷わくを絶対になくし、いいクラスにしていくこと。ちなみに、自己評価は幾つかの項目に分かれていて評価基準はA~Gまであります。質問数が10問と限られている中、セバスチャンは自己評価でAが3つありました。その3つとは??・8時25分に着席できてたか?→A(8時10分登校を繰り返しているから。)・委員、係りの仕事に取り組めたか?→A(号令は大変よくやっていた。)・クラブ活動(琴部)に取り組めたか?→A(新しい先生ともうまくやっている。)セバスチャン、がんばりすぎんでもいいで。でも、「加減」が難しんだろうなあ。いいタイミングで夏休み。ちょいとのんびりしましょうかね。




