振り返ると、僕が物理学に興味を持ったのはささいな疑問からでした。昼間は青い空が、明方や夕方にはなぜ赤くなるのだろう?近くの公園で遊んでいたとき、そんな疑問が浮かびました。
当時は小学生だったので、科学的な考えなど浮かぶわけがなく、ひょっとしたら宇宙人が地球を支配していて、宇宙人が空の色を変えているのではないか、なんて思ったりしました。宇宙人と発想するあたり、漫画やアニメ、ゲームの影響があったのでしょう。
地球が宇宙人に支配されているかはともかく、自然法則には支配されています。空の色の秘密も、そこに潜んでいる自然法則を明らかにすることによって、理解することができます。
色が見えるということは、光がなくてはなりません。真っ暗闇では何も見えませんよね。さて、光は波の性質をもっています。波ですから、あるところで一番高くなって、そのあと一番低いところまで動き、そしてまた一番高いところまで…ということを繰り返しています。一番高いところから次の一番高くなるところまでの距離を波長といいます。この波長というのが波を考える上で大事な要素になっています。
ところで僕らが普段、透明と感じている光は赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と7色に分解することができます。虹を思い浮かべると納得できると思います。この色の違いは波長の違いで分類されます。もっとも波長が長いのが赤で、橙、黄…と順々に短くなっていき、紫で一番短くなります。
光がその波長よりも短いサイズの粒子にぶつかると散乱されます。これをレイリー散乱といいます。光の波長はだいたい400~800nm(ナノメートル:1nmは1mmの1/1000の1/1000)です。太陽からやってきた光は地球の大気を通るわけですが、大気を形成している気体分子の大きさは1nm以下なので、これらによって散乱されるわけです。
そして散乱のしやすさは波長によって変わってきて、短いほうが散乱されやすくなります。つまり赤、橙よりも、青、藍、紫のほうが散乱されやすいのです。
赤色はあまり散乱されずに地上まで届くのですが、青色は大気で散乱されまくった後で地上に届きます。つまり上空には青色の光が多く残っているのです。それで空は青く見えるのです。
あれ?青よりも紫のほうが散乱されやすいのだから、紫色の空になるのでは?という疑問が出ると思います。たしかに紫色のほうが散乱されやすいのですが、散乱されすぎて私たちの目まで届く光が少ないのです。
散乱されすぎて、短い波長の光が届かないといことが朝や夕方にも起こります。このとき光は地表すれすれを飛んできます。つまり分厚い大気の壁を通過してくるのです。そのため波長の長い赤色の光が多く残って、空が赤く見えます
