三つの丸い球 | 不思議なことはまだまだ起こる

不思議なことはまだまだ起こる

不思議なことはまだまだ起こる。
この言葉が私の頭の天辺からつま先までを抜けた。
この日から、私は自分の人生が自分の思うがままに生きられることを知った。人生って最高!

 2013年1月末に私は引っ越しました。

引越しは何度しても大変。普通に生活が出来るようになるまで、どれぐらい掛かるだろう。家具も揃えなきゃいけないし、カーテンも無いし。まぁ、ボチボチやっていくしかないな・・・。


荷物を解いて片付けている時、眠っている時、誰かに見られているような感じがしていました。それと、環境が変わったという事もあったのか、少し動いただけで体が重くて眠ってばかりいました。それでも片付けなきゃいけないし、目が覚めてボーっとしながら、動いていました。

私がダンボール箱を開いた時、すーっと集まってきたオーブのような三つの球。

「何、これ」

疲れてるんだわ、私。

ちょっと動いて眠る。また動いて眠る。繰り返していました。

でも、眠っている私のことを覗き込むようにしている球、私の身体から少しだけ距離を置いてじっとしている球、もう一つの球は私の荷物の入ったダンボールをチェックするようにずっと動いていました。

三日、四日とその状態が続き、夜中に目が覚めた私は「何してるの?止めてよ!何なの一体!」と声を上げてしまいました。

三つの球は、すーっとリビングの角に集まりました。球は嫌がっているというか、怯えているようでした。

(こっちだって、何日か同じ気持ちなんだけど!怖いんですけど!)

この時、私は初めて球の中が分かりました。皆さん、着物を纏った女性でした。

私が金沢を離れる大きなきっかけになった甲冑を纏った人の姿。あの時、赤い半月の櫛を甲冑の方に渡していた侍女と思われる方。この球の方々は同じ姿をしていたのです。

「あのー。あのね。何かの用で来てるんだろうけど、正直眠れない。ごめんなさい。一人にして欲しいの・・・」

私に危害を加える訳では無く、寧ろ好意的な気持ちを持ってくれているにしても、部屋の中で動かれると、落ち着かないのです。

ダンボール箱を開けようとすると、軍手を私の頭の中にチラつかせる。ハサミを持てば、三つの意識がグッと私の手元に集まってくる。やってられなくて。

憑き物があった時のこともあって、好意的な意識であっても、部屋の中に誰かが一緒にいるのが嫌だったんです。落ち着かなくなってしまうから。

その気持ちを伝えようと思ったのですが、言い訳をする前に、三つの球は、一つずつ消えて行きました。

「あんな言い方しなきゃ良かったかな」と思ったのですが、この晩で気持ちは一変しました。

寝ている私に、今度は裃を着た方々が、

「一年は、金沢に帰ることは許されず。里心・・・」

言葉は覚えていませんが、伝えたいことは分かりました。要は、一年は此処から出るなと。私が此処に来た覚悟を試すということ。(言葉を悪くすると、こういうことなんです)

私は、カーっと頭に血が上りました。

朝まで悶々と考えて眠れず、まあ、それでも明け方二時間ほどは眠りましたが、従兄弟のYくんに電話をしました。

「ねえ、どういうことだと思う?私は、どんな意図があるかも分からず、来たんだよ。どうして、私を試すの?私は腑に落ちない」

Yくんは、暫く黙っていましたが、「どうして、そんなに怒るの?何に対して怒ってるの?来てやったんだぞって気持ちなの?九萬坊さんも金沢神社さんも、お心のままにって言ったんだろ?全てはお前が決めたことなんだよ。誰に頼まれた訳じゃ無いんだよ。まだ来たばっかりで、その言葉に何の意味があるのかも分からないのに怒ってたら、体力消耗するぞ」

「あの丸い球だって・・・」

「話をすり替えるな!何か手伝ってくれようとしてたんだと思うよ。俺には分からんけど・・・。だけど、球だって居ないより居たほうが、寂しくないんじゃないか?」

「球だもん」

「そういうことを言うな!球の中の人が泣くぞ」




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