うちの近くにね「ローズ亭」っていう洋食屋さんがあるんですよ。




昨日連れが、昼ごろ来たんですけど最近いつも、昼ごはんステーキ屋なんでたまには気分を変えてどっかないかなー。ってうらうらしてました。




そこで目に止まったのがローズ亭。




そういえば近所にありながら一度入ったきり3・4年行ってませんでした。


雑誌やテレビでたまに見たことのあるおいしいと有名なところ。



さっそくin。満席に近い割には静かでなかなか落ち着いててカウンターにテーブル席が4つの小ぢんまりした「THE街の洋食屋さん」の雰囲気です。





なんか憧れるでしょ!夫婦でやってる「街の洋食屋さん」。いかにもおいしいものが出てきそう…ワックワク。




私ったらこんないい感じのところがあるのに何で通わなかったんだろう…と少し後悔。




でねテーブルは満席だったので、カウンターに二人並んで座ったんです。
私は海老フライを、連れはスパゲティーをチョイス。



おばちゃんが注文取りにきて、オーダーしたんだけどおばちゃん、何やら私を怪訝な顔で見てるの。


「ん???」目線をたどると、おばちゃんが見てるのは私じゃなくて、あたしの横の、カウンターの脇に置いた鞄。



「はぁ・・・(ため息)かばんは床に置いてね」
平面的で一本調子の声色で無表情に注意されました。






ん?





なに?おばちゃん?それ注意?で、で、はぁ…ってそれ凹むトコ??



なんか違和感を感じつつ、とりあえず、カバン床に置いたんですが注文した後に醤油差しの隣の張り紙を見て愕然。



「雑誌・新聞を読みながらの飲食は禁止します」


辺りの壁に目を遣るとさらにいろいろな注意書きが。





うぁぁぁ……やべーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!


そうやったああああああ、ここ、「トンデモこだわり」の店やった!



一回来たとき居心地が悪くて悪くて、味分らんかったんや―――!!
やべえ~~あっべーーーよ!スッカリ忘れてた!!入らんけりゃよかったぁぁぁ・・・。



ものすごくいやな予感……硬くなるワタシ。。




その時、テーブルにいた3人の会社員さんに料理が運ばれてきて賑わいだしました。


「どうどう?!それ?おいしそうー」「ウマし!!!マジ!一口食べてみて、みて!」



和やかなランチの風景。私も気を取り直して海老フライ来ないかなー!ってちょっとワクワク。今日は二人で来てるし多少気が大きいからねッ!




      「そこ!」
     (おばちゃん)



はっとする三人。・・・と私。



  「そこ!周りの人に迷惑になるからもうちょっと静かに食べてね」



しーーーーーーーーーーーーーーーーーん(空気氷結)。



・・・・・・・・・・。



まさに気を抜いたところにウエスタンラリアットを浴びた気分。


やべっ、やべっ、ホラ!ほらね!!!だから言ったやん!!!そうやそうや……これ!この感じよ!悪い予感的中っ!




「おいしい」という客に上から目線でまさかのダメ出しとか……まじかよまじかよ!


ここまでエスカレートしていたとは!一度ヤバいと思いだすとますます自分を追い詰めてしまう私。





第一印象の

「静かで落ち着いた雰囲気」



これは間違いなく食堂的自衛隊駐屯地のスパルタ教官夫婦による「やらせ」だと確信。



うん。ここはもはや食堂じゃない。あのドアを開けた時から私たちは禁断の自衛隊とか軍隊の駐屯地に入ってしまったんだ!


あのおばちゃんは食堂の人じゃない!かっぽう着を着たラインハルト、鬼教官に間違いない。


しかし入ってしまったのはこちらのせい。この場はあの新米6等兵三人を反面教師にして、ラインハルトに逆らわずスムースに事なきを得るのを祈るしかない。






ここで気づいた「私語禁止」の張り紙を眺めながら、ちらっとでも動くと怒られるんじゃないかという強迫観念からビクつきまくり、石像よろしく硬直。自分の息の音でさえうっとおしくなるほど。



おにいちゃん…怖い・・・怖いよう…僕には見えるんだ…あの人たちの黒い陰謀が…(最近ハマッテるナイトヘッド)




おにいちゃん…・・……??




隣の相方に目くばせすると、直人は馬鹿がつくほどノー天気なお得な性格が功を奏してまったく意に介していない様子。



この張った空気をまるでつかんでいない。



O型だからなのかバカだからなのか判断に窮するところだけど、たぶんO型でバカだからなんでしょう、「ん?」と言ったまま厨房のおじちゃんの様子を子供のように輝く瞳で覗き込んでいる。




このときほどバカがうらやましいと思ったことはない。直人スルーかよ!!



おにーーーーちゃーーーーーん!!!
「ん?」

なんだよそれ!
気づけよこの危機的状況!





なんかね。ランチタイムの食堂でしょ。満席でしょ。
なのに、聞こえるのは壁時計のチッチッチッ、っていう秒針の音だけ。
怒られた6等兵の一人、ソースを置くときに、ガチャン、ってやってビクッ。


おばちゃんていうかラインハルト、横目でチラ見。おおおおこえええええ。




・・・・・・・・それから3分ほどでラインハルト不敵な笑みを浮かべながら、大仏になった私に配給のレーションを運んできました。




ハイ。食べても味がわかりません。むしろ意味がわかりません。


極度の緊張状態で、食感も味もにおいもなんもかんも どっかにいってるわけです。



もし残そうもんなら ラインハルトの喝がとんでくるのではないか、後ろ手に竹刀の一本も持ってるに違いないと、初めてのH同様、ただがむしゃらに、海老フライに見えるカロリーメイト、いやカロリーメイトに見える海老フライを義務的にがっつき、金を払い、速やかに去るのが今の私の使命なわけで。





しばらくして連れの直人にもレーションが運ばれてきました。


連れは一口麺状のレーションを口に含むと「んんんんっ」と唸り、一言漏らした訳です。


      

         「まずい!」



大声で、いや、大声じゃないかもしれないけど、こんだけ静かな中だと、とっても通る声で言ったんです。




うっそおおおおおおおおん!!!!!
緊急事態発生緊急事態発生。兄弟機パトリオット、敵の陣営に爆弾投下!!!
緊急事態発生緊急事態発生。兄弟機パトリオット、敵の陣営に爆弾投下!!!
コードネーム「マズイ」。


慌てて、椅子の下で彼の足を蹴りたくる私。



「やめてよぉーっ!」口パクで、声にならない声で、直人を阻止する私。



  「だって俺バジル駄目なんだもん。最悪だよ、最悪!メニューに書いててくれよなぁ!」


・・・・・。


何追い打ちかけてんだ、バカものがぁぁぁぁぁぁああぁぁぁっ!!!
最悪なのはこっちじゃあああああああああああああ!!



メニューにダメ出しとかいろんな意味で最悪じゃぁぁぁ!!



 「ほら!サラダのドレッシングにもバジル入ってるよ!!
 (こっからは頭真っ白であんまり思えてないんだけど「ヒトが食う食べモンじゃない」とかそういううんちくを言っていたように思います)」




い・い・か・ら!!もう喋らんでくれ!!お願い!お願い!!



・・・・・・・・。




再び静まりかえる店内。ラインハルト、立ち止まって直人をガン見。
背後からはいろんなヒト達の視線をこちらにビシビシ感じるも、直人言いたい放題。



あいたたたたた。いけーーーーーーん!!もう!バカ!なんかもうバカっ!!!!!



あたしの脳内とうとう限界突破。
小さい小島よしおが頭の中で群れて「おっぱっぴー!おっぱっぴー!」いうてます。




で。
完全にテンパった私は咄嗟に立ち上がり、トイレへ駆け込み、トイレから出ると、そのまま出口へ直行。


店から出ると猛ダッシュで自宅に駆け込み寺。
その間のバックミュージックは、たぶん尾崎豊の盗んだバイクではしりだすやつでした。



もう、二度と行かね・・・・。
「空気嫁」通り越して空気知らずの直人ともしばらく口きくもんかっ。



・・・・・・・・・・・・・。