8月の読書メーター
読んだ本の数:20
8月末、恒例のバルス祭りが無事開催されたみたいですね。
想像すると愉しい。
会うたびに『風の谷のナウシカ』の引用で
会話したくなっちゃう相手がいます。
ただし、バーベナの記憶はあやふや。
映画を観たのは何十年前?
漫画を読んだのも・・・。
それでも、共通言語として話せるのが
ナウシカの凄さ。
というのはさておき。
ついにある日、夏の課題図書として
『風の谷のナウシカ』全巻をお借りしました。
何度も読み返されていることがわかる
そんな大切な本。
こんなに奥深い話だったのかと。
私もこの夏何度も読み返しました。
お気に入りエピソードは
皇弟:ミラルパの旅立ちや
蟲使いたちの豹変。
漫画を読んでいない人に
そのシーンを語ろうとすると
つい涙腺が崩壊してしまい
とても迷惑な人になってしまうくらい。
そして、10年前だったら、昨年だったら
おそらく湧き上がってこなかった
感情に気が付く。
物語のなかに、もうひとつの物語が
顕れてくる。
それは、読み手の人生を巻き込んだ
自分だけの物語。
何度も読みかえす愉しみ。
それに耐えられるだけの物語。
そんな物語と出会えると
本当に嬉しい。
生きる豊かさは
ささやかな楽しみにもあると
確信します![]()
富士日記を読む (中公文庫 ち 8-6)の感想
昭和40年代の富士山荘での暮らしを淡々と綴った『富士日記』への、熱いラブレターのような編集本。もう亡くなった方~現役の方まで。誰もが、どうしてこれほどまでに『富士日記』に惹かれるのだろうと、自分の想いを分析したり、ただただ愛を語ったり。私も一緒になって、心の中で百合子さんへ話しかけてしまう。もちろんお会いしたことはない。それでも。つい、そうせざるを得ないの。
読了日:08月01日 著者:
人生が一変する「遊ぶっきょう」の教えの感想
著者は禅寺で20年間を過ごし、その後海外へ。65歳からは比叡山で密教修行。そしていまは護摩を焚く僧侶。スピリチュアルが流行っている時代ですが、きちんとした宗教思想を経た僧侶が、ひとつの思想や宗教に依存しないことを勧める事に凄味を感じる。かといって難しい話ではなく、最初からくすっと笑わせてくれながら、いま生きているこの世界を最大限楽しみ、真剣に遊びつくそう、という新しい提案。辛い時だって、遊んで笑おう。大丈夫!
読了日:08月05日 著者:町田宗鳳
日暮れのあとの感想
切ないような、泣きたくなるような、そんな気持ちが溢れてくる。何故だろう、死の気配がただよう短編集。人の一生は輝く時期だけでなく、病や老い、そのなかには、おだやかな時間や輝く恋の瞬間もあって。どの人の生や性にも意味があって、泣きたくなる。こうやって物語になって読める。誰かの人生を辿ることの尊さを受け取った気がする。
読了日:08月06日 著者:小池 真理子
生贄探し 暴走する脳 (講談社+α新書 823-2C)の感想
教養があり、かつ、人類の不可思議さを理解したいと願う心があるひとの会話って面白い。いろんな方向からひらめきが飛び交っている感じ。暴君ネロと母親の関係なんてびっくり。いろいろな例えや現象についても、丁寧に解説してくれながらなので、読んでいて、置いてきぼりにされたりしない。多分、教養って優しさ。読んでいてそんなことを思った。生贄を必要としない生き方をしたい。
読了日:08月06日 著者:中野 信子,ヤマザキ マリ
巡礼の家の感想
愛媛の道後温泉が舞台。神話の時代から女将が守ってきた旅館:さぎのや。ある出来事から、逃げてきた15歳の少女:雛歩の目線で描かれるお遍路宿。彼女と一緒に、旅館に集う人々を理解していく気持ちで読む。誰もが知り合いの街で暮らすなんて、息苦しさばかりを思い浮かべてしまうけれど、もしかしたら、違う世界もあるのかもしれない。自分ができることに、自然と手を差し伸べて、その優しさが循環する世界が。失くした場所を浮かべると涙が溢れてくる。でも、これから創る場所もきっとある。想いが循環する場所が。そう願いながら読んだ。
読了日:08月06日 著者:天童 荒太
おばんでございますの感想
新人賞を取ってから10年以上の下積み生活。書いてはボツにされる原稿。桜木さんの小説には釧路の風景が欠かせない。強い日射がないからこそ、影のない街。血筋や先祖、もちろん大切に想うものだとしても、こだわるところじゃない。ましてや、それを笠に着るなんて意味が分からない。そんなことをユーモラスにあっけらかんと語る紫乃さん、大好きだ。自分で堂々と立って、自らの生き方を引き受けているからこその言葉。対談されていた『シークレット歌劇團0931』。是非見に行きたいな。
読了日:08月08日 著者:桜木 紫乃
帰れない山 (Shinchosha CREST BOOKS)の感想
イタリアのスイス国境に近いモンテローザ山脈で、友人ブルーノ過ごした少年の日々。大人になり、ふたたび山に戻ってきたピエトロ。ピエトロは孤独を愛し、ブルーノは牧場と家庭を持っていた。でも、何もかもがうまくいくわけではなく。ふたりにとって『山』はどんな意味を持つんだろう。故郷というより、自分と境目のないもの? 読んでいて不思議だったのは、山小屋で暮らす日々は、同じことの繰り返しなのにも毎日が新鮮に感じること。読み終わった後も山の静けさがずっと残っていた。
読了日:08月08日 著者:パオロ・コニェッティ
彼女たちの場合はの感想
14歳の礼那と17歳の逸佳はNYからアメリカを見るために旅にでる。危険なことがないように、祈りながら読む。社交的な礼那が、くいッと人との距離を詰めて有益な情報を得たり、人見知りの逸佳がなぜかクリスとは気が合ったり。不安を抱かない逞しさ、健やかさに救われる。ふたりの会話が、素のままの感情で心地いい。一緒に過ごした時間は、特別なもの。
読了日:08月11日 著者:江國 香織
憐憫の感想
芸能界で子供時代を過ごしてきた沙良。親族からの搾取で負った傷は癒えることはないが、テレビ局のディレクターと結婚して、いまは落ち着いた暮らしをしている。でも。出会ってしまった。柏木に。言葉が通じる相手に。ふたりの心情風景を絞り出すような、淡々とした会話が羨ましくなる。どうしてだろう。ギリギリの会話。そこにお互いの憐憫が交差しあう。沙良が、ここからは勝負だ、波に乗るのだ。と決める瞬間が一番好き。癒しが終わった瞬間のような気がして。
読了日:08月11日 著者:島本 理生
文はやりたし (幻冬舎文庫 な 20-9)の感想
『オーストリア滞在記』よりも時間軸が長いため、これ一冊の中で、結婚・コロナ渦とめまぐるしく生活環境が変化。さまざまことを深く勉強して、クラシックのことなど全く分からなくても、読んでいるだけでもなんだか優雅な気持ちにしてくれる。本人が楽しんで学んでいるのだと思う。前向きでとても好きだわ。身体のコントロールが過酷で、そこはやっぱりプロ女優さんね。
読了日:08月14日 著者:中谷 美紀
ピアリスの感想
ペンネームで雑誌に連載(20年以上前!)されていたものを一冊にまとめたもの。いや~ん、続きは?!未来を視るユーロと過去を視るピアリス、彼らの今後が知りたい。世界がどうなるのか。主人公はまだ10代。容赦なく、過酷な現実を生き抜けとつきつけられる。でも、彼らはきっともう一度出会う。そう決まってるから(願望)
読了日:08月17日 著者:萩尾望都
いつか あなたを わすれてもの感想
さとちゃんはママのママ。母と娘の関係はとても一言ではいえない。そっと胸にしまってあることが、溢れそう。でも、負の連鎖は断ち切る。具体的なことはなにもでてこないけれど、ママの決意は伝わる。きっと、娘にもいつか。時のながれを見守りながら、哀しくて優しくて、絵本という形だからこそ、伝わってくることもあるんだなと思えた。
読了日:08月19日 著者:桜木 紫乃,オザワ ミカ
愛のかたちの感想
パリを背景にした二編のロマンス。愛に溺れないロマンス。どっぷりと溺れてしまっていいじゃないの。そんな相手とはもう出会えないわよ。と思ってしまうけれど、彼女たちはそうはしない。自分という者がなにを欲しているのか、立ち止まってきちんと自問する。その決意と引き換えに、仕事、使命を全うする。もっともっと甘えてもいいのに。彼女たちにそんな一瞬があることを願わずにいられない。
読了日:08月19日 著者:岸 惠子
森瑤子の帽子 (幻冬舎文庫)の感想
10代の頃、こんな大人の世界があるのだと憧れたのが森瑤子さん。エッセイを読むたびに徐々に違和感を覚えていったことも思い出す。改めて、数十年ぶりに出会えて良かった。瑤子さん、ちゃんと大切な人たちに愛されてた。そして、スノッブ(もう死語でしょうか)な華やかさも、彼女自身が求めて演出していたのだと。それを愉しんでいる瞬間もちゃんとあったのだと。やっぱり大好きだわ。
読了日:08月22日 著者:島﨑 今日子
霊が教える幸せな生き方の感想
借り物でない視点で話す人って面白い。実体験から検証した言葉の数々。例えば、身体の中心部の霊体がぎゅっと詰まっていると、憑かれにくい。そこがスカスカだと付け入る隙がある。自分の欲望を素直に認めて、それを叶えるために学ぶ、勉強をする。そうすると霊体が『自分』というものでぎゅっと詰まってくるのだそう。男女の性差についてのくだりが切なかった。生霊的にも現れているのね。
読了日:08月23日 著者:シークエンスはやとも
〈からだ〉に聞いて食べなさい―もっと自分を愛してあげるためにの感想
いま空腹?と問いかけてみる。そして、本当に空腹なら、何を食べたい?か問いかける。空腹でないのに食べるのは『6つの同機』がある。私は、感情で食べているな。『人間には他人を幸せにする義務はない』がグサッと刺さった。頭で知っていても、納得していないこと。でも、自分にもそんな義務はないし、目の前の人も、私を幸せにする義務はない。それができるのは、自分だけ。だから自分の欲望をちゃんと聞いてあげよう。完璧主義も捨てよう。
読了日:08月23日 著者:リズ・ブルボー
今さらだけど、引き寄せちゃった!: スピ初心者の私が、ひたすら“引き寄せの法則”を実践した12ヶ月。の感想
紹介されていたサイトをみて珍しく衝動買い。自分の「いい気分」ってどんな状態だろう。簡単なことのようで、意外と難しい。いま、私はどう感じている?心地いい?自分の内面と向き合うって、ほんっとの本音を知ること。残酷な本音がでてくる、でてくる。今はそんな情けない状態。でも、この先に何がまっているのか楽しみでもある。今の気分はどう?
読了日:08月28日 著者:Sayaka.
二人キリの感想
昭和11年に起こった、阿部定事件をベースにした物語。切り落としたアレと一緒に逃げた。そこまでの執着を抱かせる男って、どんな?そして、なぜそこまで惹かれたの?ずっと疑問に思っていた。ふたりが激しくひかれ合った時は、もう、行き止まりだった。その先に道はなく、男の生命力もどんどんそがれていく。生への諦めと性への執着。こんなふうにしか愛せなかったふたりのこと、好きだわ。
読了日:08月28日 著者:村山 由佳
風の谷のナウシカ 全7巻箱入りセット「トルメキア戦役バージョン」の感想
知人から夏の課題図書として借り受ける。胸に刺さった場面はいくつもあるが「クシャナは代王に留まり、トルメキアは王を持たない国になった」のくだりに、最近考えていたことのヒントがあった。人を尊敬することと、崇めることは全く違う。崇めた瞬間に大切なモノを、差し出してしまうことになる。でも、それは自分で持ち続けていかなければならない、考え続けていかなければならない、大切な何かなんだと思う。『ナウシカ』は読む時期によって、読む人それぞれに浮かび上がってくる物語がある気がする。それは貴方だけの物語。色々な感想をききたい
読了日:08月28日 著者:宮崎 駿
黒白の一族の感想
お屋敷が立ち並ぶ閑静な住宅地。隣に得体のしれない大家族が引っ越してきた。民俗学に詳しい可南は毛嫌いする。可南が何故そこまで嫌うのがが、さっぱり分からず。歩き巫女の正体といっても、それの何がいけないのか。この仕事の仕方なら私はお隣さんとしても大歓迎。倫理観なんて時代で変わるもの。そして、結局のところ人を魅了するのは、理想の異性及び性とお金。なんのこっちゃというラストが軽やかだった。
読了日:08月28日 著者:明野照葉