2013年9月の読書メーター
読んだ本の数:19冊
涼しくなってきて
すっかり秋の気配です。
読書がはかどる季節になりました![]()
家でも、公園でも、乗り物でも。
どこでもできて、電気もいらない。
図書館活用なら、お金もいらない。
いろんな場所を旅行したり
住んだり、
いろいろな人生を体験できる。
数ある娯楽の中でも
読書って、一番手軽で壮大な
娯楽なんじゃないかしら![]()
ありがたいことです。
弥勒 (講談社文庫)
の感想
なんて骨太な物語なのだろう。聡明な国王が統治するヒマラヤの小国パスキム。独自の仏教信仰と、その長い歴史から生み出された美術品は、奇跡のように美しく街を彩る。しかし突然の政変によって全てが変わり、街は壊滅状態に。そこでは、理想を追求しすぎたための『木を見て森を見ず』という悲劇が、これでもかと襲ってくるのだ。読み進むうちに何が善で悪なのか、答えは出なくなる。現実にあるいくつかの他国の情勢も浮かぶ。
読了日:9月30日 著者:篠田節子
きみのためのバラ (新潮文庫)
の感想
共通の言葉があるために、身近な人との距離を広げてしまうことがあるけれど、逆に、旅先やすれ違うだけの人との、ちょっとしたやりとりが幸せを感じさせてくれることもある。「レシタションのはじまり」の、誰もが穏やかになれるマントラ。本当にあったらいいのに。と思いながらも読後は静かな気持ちになれた。読書することで心がほぐれるのは、嬉しい。
読了日:9月29日 著者:池澤夏樹
悪女について (新潮文庫 (あ-5-19))
の感想
向上心があり頭の切れる富小路公子。それぞれに別の顔を見せていたのか、彼女を知っている人が語る公子像は、人によって全く違う。そこか不気味だけれど、万華鏡のような魅力があって目が離せない。自分が理解できない人を憎む、というのはちょっと分る気がするけれど、だまされたと認めるのも癪なものよね。
読了日:9月29日 著者:有吉佐和子
一〇〇年前の女の子
の感想
明治生まれの母親から聞き取った話をもとにしている。暦にそって営まれる、農家ならではの暮らしがとても興味深い。生活に必要な物を育てるだけでなく、加工もしなければならない。今のように買って済ませる、という選択肢がなかった時代。
読了日:9月27日 著者:船曳由美
マクロビオティックに学ぶ暮らしの知恵―食べること、生きること
の感想
オーガニックベースの奥津さんのお母様。怪我をしたとき、その部位に「痛みは伝わっているよ」と納得させて、痛みを承認してあげる話が面白い。身体も認めて欲しいんだな。
読了日:9月27日 著者:柿本和子
寒椿 (新潮文庫)
の感想
昭和初期の高知。芸者置屋「松崎」に売られてきた4人の少女が、芸妓となったその後を、松崎の一人娘:悦子がたどる。戦争を挟んでいることもあり、4人の人生が濃い。中でも、口が卑しく、手癖の悪い貞子のエピソードに惹かれた。そうせずにはいられなかった育ちのせい、だけではなく元から持つ性質の怖さというか。危なっかしく見えるけれど、自己充足感がありそうな民江とは全くちがう底の抜けた闇がある。
読了日:9月27日 著者:宮尾登美子
間宮兄弟 (小学館文庫)
の感想
30代の兄弟が仲良く住むマンション。ジグソーパズルを、おもしろ地獄と呼んじゃうような、ふたりの暮らし方に和ませてもらいました。自分で自分を楽しませるのって、案外大切かも。
読了日:9月22日 著者:江國香織
憑かれた女
の感想
森林に囲まれた館。ここを借りようと訪れたイズベル。婚約者にも伯母にも見えないのに、彼女の前にだけ現れる階段。。異常な体験を、大切な人と共有できなかった時の孤独感は、今までの関係を壊してしまう。でも、きっとそれをわかっていても、階段を上ってしまうのでしょう。現実に戻ってこれない方が幸せ?
読了日:9月22日 著者:デイヴィッド・リンゼイ
ダイエット・クロワッサン 痩せる食べ方 (クロワッサン・ちゃんと役立つ実用の本)
の感想
クロワッサンのダイエット特集をまとめたもの。成功例だけが載っているのですが、その後も追って取材をしているところが良い。でも、角田さんはこの企画の常連のような気がします・・・。
読了日:9月6日 著者:
余韻のある生き方 (PHP新書)
の感想
日本財団の笹川良一氏の三男:陽平氏の話がダイナミックで、こんな人がいるんだ!と驚き。こういうことを知ることができるのは、上流階級といわれる方との交流があるからこそ。ちなみに、著者は性質が激しくて、誤解されやすい人なんだなということも伝わってきて、面白い。
読了日:9月6日 著者:工藤美代子
シンプルに暮らす
の感想
「食」についてのことが多く書かれている。戸棚から取り出してそのまま食べず、お皿に盛るというちょっとしたことが、自分を大切にするという行為なのだなとしみじみ。でも、なんだか上から目線で忠告されている気がするの。いえ、そういうのも好きなのですが。実際の著者との間に少し違和感があるような・・・。何故そう感じてしまうのか。う~ん。
読了日:9月6日 著者:ドミニック・ローホー
落下する夕方 (角川文庫)
の感想
ゆっくりと緩慢に霧のように消えてしまえたらいいのに、と思う気持ちとこの物語の空気感が、とても合う。誰もが華子になれるわけじゃないのだ。
読了日:9月6日 著者:江國香織
源氏物語九つの変奏 (新潮文庫)
の感想
今ちょっとはまっている源氏物語。角田さんの『若紫』と、小池さんの『浮舟』に痺れました。最古の物語が現代に繋がっている感覚がとても面白い。そして、そのことに背筋がゾゾっとする。だって平安時代と現代、人の心は変わらないのだもの。
読了日:9月6日 著者:江國香織,金原ひとみ,町田康,松浦理英子,桐野夏生,島田雅彦,小池昌代,角田光代,日和聡子
絲的サバイバル (講談社文庫)
の感想
毎月、ひとりでどこかでキャンプ(自腹)。自分がアウトドア派ではないのを忘れて「キャンプしたい!!」と言い回りそうになる。そして、イラストが秀逸。ここぞ!というところを的確にバチっと決めてくる。久しぶりにエッセイで大笑いしました。
読了日:9月6日 著者:絲山秋子
妻の超然
の感想
勝手に内容をイメージしてしまいそうに、強烈なタイトル。3つの「超然」が収められている。妻・下戸・作家。どれも『話せばわかりあえる(はずだ)』という理想を、あっさりと幻想だと指摘されているような気がするけれど、それがかえって爽快。ちなみに勝手にイメージした内容とはまったく別物でした。
読了日:9月6日 著者:絲山秋子
野草の力をいただく 若杉ばあちゃんの知恵
の感想
よもぎの解毒作用に興味津々。摘んで日干しにしようかな。玄米をめぐっての離婚騒動や、大豆は身体を冷やしてしまう等、面白い話が盛りだくさん。若杉さんの語り口、生活がそのまま伝わってくるようで、菜食に興味があってもなくても、得るものはたくさんある。
読了日:9月6日 著者:若杉友子
遠い山なみの光 (ハヤカワepi文庫)
の感想
戦後の長崎で暮らす佐知子と悦子。常識的な悦子に、奔放な佐知子。ふたりが親しくつきあったのは、ほんの一時期のこと。でも、強く印象に残っている女。ぐるりと自分の人生をみかえすと、嫌悪したものが自分の中にもあったことに気が付く。価値観がめまぐるしく変わっていく時代のなかにある、強さと哀しみが、じわっと伝わってくる。
読了日:9月6日 著者:カズオイシグロ
喰いたい放題 (光文社文庫)
の感想
豆かん、ふりかけ、地玉子、餡子、ワンタン。朝から食べたいものを探すために、好みの餡子を見つけるために、自転車で走り回るなんて、とってもチャーミング。いつもの『食』をもっと楽しみたくなる。
読了日:9月6日 著者:色川武大
五月の独房にて
の感想
どこまでも、被害者を「ちゃん」づけで呼びかける彩子が怖い。刑務所の中では淡々と過ごしていたのに、出所してからの暴走は何?!どこで歯車が狂ったのか、最初から狂っていたのか。人間の狂気って深い穴です。
読了日:9月6日 著者:岩井志麻子