10月の読書メーター
読んだ本の数:24冊
「獣の奏者」が完結し、寂しいような気持ちでいっぱい。
今月もそっと津村節子&井上荒野にはまっている。
藤野千夜はもう手に取ることはないかな・・・と思ったが
角田光代の書評集「私たちには物語がある」を読んで
もう少し付き合ってみようと思った。
私たちには物語がある
「凡庸」「日常」を愛する著者の読み方に共感。読みたい本にいくつも出会えた。再読の楽しみをドラマディックに表現されている部分が好きだ。
読了日:10月30日 著者:角田 光代
星祭りの町 (新潮文庫)
疎開先の入間は進駐軍により変貌し、戦後の情勢の中で紙幣価値も変わってしまう。何を信じて良いのかわかない混乱の中に居ても、育子の「芯」はしなやかで折れない。正直で頑固なくらいまっすぐだけど柔軟だ。それは自分の生活は自分で面倒みるということが、骨身に沁みているからだろう。
読了日:10月30日 著者:津村 節子
メガロマニア―あるいは「覆された宝石」への旅
「上と外」には遺跡や密林の禍々しさが詰まっていて、中南米を旅するにはぴったりの人だと思い手にとった。しかし実際に現地入りしてみれば数々の遺跡や建造物に、ただただ圧倒されるだけの旅になっているところが面白い。
読了日:10月30日 著者:恩田 陸
ヘヴン
ラストで主人公が見た光景はきっと彼のヘヴン。それはしっかりと現実の中にある。コジマにもそんな日がくるのだろうか・・。主人公の継母の「自分のことで手一杯の無関心さ」が良いほうに転がっていて救い。
読了日:10月29日 著者:川上 未映子
もう切るわ (光文社文庫)
ミルフィーユの日から始まる物語。「もう切る」のはケーキでなくて・・・肉体であり精神であり、いろいろな未練でもあって。日常の中に重なる個人的な感情、その積み重ねはパイの皮のように薄く脆くて嵩張る。
読了日:10月29日 著者:井上 荒野
雅楽戦隊ホワイトストーンズ
ミスターファンなので迷わず手に取ったが内容は無いような(すみません)。これはもう映像の方が楽しめるんでしょう。余談ですが、「電波ミミズ」を思い出してしまって困った。
読了日:10月28日 著者:鈴井 貴之
華燭 (中公文庫)
血を売って外面を整えようとする千果。10年前に読んだ時は自分の中に千果をみた。今はただ彼女が悲しい。情に勝ったはずなのに、どうして失敗してしまったのか?あのダンスで答えはでていたのに。
読了日:10月25日 著者:津村 節子
中年前夜
立場は全く違うけれど「何か満たされたい」ともがく3人の女性。彼女たちについては、もうお腹いっぱい。突然駆け落ちした還暦:静先生のエピソードだけが潔くて清涼感。
読了日:10月25日 著者:甘糟 りり子
主婦と恋愛
スープに浮かんだ表層1cmの油脂をすくったような読後感、「なんだか気になる・・・」それもチエミにとっての恋愛。
読了日:10月25日 著者:藤野 千夜
もしも、あと少し、幸せになれるとしたら。 (朝日文庫)
いま自分が居る世界の中でのもがき。狭い世界だけどその狭さこそリアル。コツさえわかれば手に届きそうなものだからこそ、悩みになる。贅沢な話だと感じるか、共感できるか・・・。リトマス試験紙のような一冊。
読了日:10月23日 著者:桂 望実
夢を与える
ギャルのお姉さんたちと火花が散るわけでもなく、陰謀に巻き込まれるわけでもなく順調すぎる芸能活動。ただ、初恋(?)の相手が悪かった・・・。現実逃避の相手が欲しかっただけなのに。夕ちゃんは『いい子』すぎる。でも、これ位で『終わった』なんてちょっと残酷すぎる。そこまで自分を追い詰めなくてもいいのに。
読了日:10月21日 著者:綿矢 りさ
整形美女 (新潮文庫)
「ブス(モテ顔)」に整形した甲斐子、整形しようとした初心も思考もすっかり忘れ去っているのが見事。これぐらい神経すわってないとできません・・・。初心をほのかにでも覚えていたら、今の形としての幸せをもっと実感できたのかしら・・・?
読了日:10月20日 著者:姫野 カオルコ
霊道紀行
著者のミーハーだけど用心深いという、もどかしいほど独特な距離感が堪能できる。霊障もアセンションもこの本の中では日常用語。つられて読後は普通に「金星って・・・」と話しそうになったりします。
読了日:10月19日 著者:辛酸 なめ子
暴食の世界史
拍子抜け。世界史というには欧米に偏りすぎ。
読了日:10月19日 著者:フランシーン・プローズ
カデナ
個人の歴史を振り返れば今持つ国籍だけでなく、「フィリピン」「サイパン」「グアム」・・・南へ西へと縦横に絡み合っている。知らないことが多すぎる。互いの背景をもっと『知りたい』と思った。
読了日:10月18日 著者:池澤 夏樹
瑠璃色の石 (新潮文庫)
「重い歳月」から著者の自伝を逆に辿っている。娘時代から自分で生計を立てているだけでなく、結婚してからは家計も支える・・。三谷晴美(瀬戸内寂聴)との交流も書かれているが、恩田陸の小説の中にある「石榴」はここからきたのかしら?読みたいものがどんどんでてきて楽しい。
読了日:10月15日 著者:津村 節子
私のこと、好きだった?
最後の一方的な手紙に違和感。でも、美季子が素のままを出せる「甘えどころ」は兼一だけなのかな。低値安定よりもドラマを求めずにはいられない主人公たちに肩をもんであげたくなる。
読了日:10月15日 著者:林 真理子
走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)
ランナーではないし読み終わった後も走りたいとは思わなかったが、それでも読ませてしまう。それは、客観性を持ちながら自分の肉体を精神を見つめ続けるという、とことん「個」と向き合う姿勢に惹かれるから。破天荒でない「個」の話は、実はとっても面白いと思う。
読了日:10月14日 著者:村上 春樹
わたしの癒しサロンのはじめかた。 ~アロマ、ネイル、リフレクソロジー、エステなどのサロンオープンがよくわかる~
リビングのインテリアの参考になる。什器や広告費等の開業にかかった費用も出ていて、内情が見えてくるのが面白い。
読了日:10月13日 著者:「わたしの癒しサロンのはじめかた。」編集部
星々の舟 Voyage Through Stars (文春文庫)
家族の物語でもあるが、それぞれが抱える心の闇を、時の流れの力を借りながら投げ出さずに、精一杯折り合いをつけて現実を生きていく話。父:重之の太平洋戦争の話は違和感が無く、祖父を思い出した。丁寧に取材されたのだと思う。一見、わかり易いハッピーエンディングはないけれども、なんとか前を向いて生きていこうという真摯さがあって、著者の作品の中では一番好きだ。
読了日:10月13日 著者:村山 由佳
これでよろしくて?
生活密着型の議題を次々と取り上げる「これでよろしくて?同好会」に是非入りたいなぁ~。しかし、婦人公論(好きですが・・・)連載というのがまた怖い。自分を「ママン」ではなく、知的で食えない「土井母」に置き換えながら読んだ「ママン」が多そうな気がする。自分のことは「おばけ」のようになかなか掴めないもので・・・・。
読了日:10月12日 著者:川上 弘美
つやのよる
毎週レストランランチに通う夫婦、お見合いをするO島の看護婦、ひとつひとつのエビソードの背景に惹かれるが、そこにひっそり浮かび上がってくる、細いけれどゴムのように切れない艶の影。艶自身はなんだか何事にも執着がなさそう。係わった人々から艶の色彩がぼんやりみえそうで、みえない。
読了日:10月12日 著者:井上 荒野
私自身の見えない徴
モナの鋭さ不器用さと、最初と最後の寓話に惹かれた。その間にある物語をちゃんと味うことができたら、きっともっと楽しめるはず。う~ん、まだ読み力不足っす。
読了日:10月06日 著者:エイミー ベンダー
獣の奏者 (4)完結編
読み終わっちゃったなぁ・・・という寂しさでいっぱい。でも、こんな風に思える作品に出会えて幸せだ。エリンの時間が足りない!という焦燥感が痛いほど伝わってくる。やんちゃだった息子:ジェシが、母の想いや願いを繋いで、学ぶことの本当の意味を伝えているのが救い。
読了日:10月04日 著者:上橋 菜穂子