男四人のパーティが雪山での登山中、猛吹雪に見舞われて道に迷い、偶然見つけた山小屋へと避難していた。
荷物をかなぐり捨てて辿り着いた山小屋は、全く何もない四角い空箱。たちまち陽は沈み、辺りは暗闇に包まれた。
男達のリーダーは、このままだと夜が明ける前に皆が眠ってしまって凍死すると思い、ある話を思い出し、皆に四隅へと分かれる様に言った。
「それって…」別の男が言いかけたのを遮る様にリーダーは次の事を付け加えた。
最初にリーダーが隅に向かい、その人の肩を二回叩く。叩かれた人は隅に向かい、その人の肩を三回叩く。叩かれた人は隅に向かい、その人の肩を四回叩く。四回肩を叩かれた人は隅に向かい、そこに留まって百数えた後、次の隅に向かい、その人の肩を二回叩くと。
皆は納得し、それを続けていたが、何時間か経ったある時、肩を四回叩かれたリーダーが隅に向かうと、誰かとぶつかった。
リーダーは驚き、思わず「何で戻ってるんだ」と叫んだ。
すると横の方から「はぁ? 誰だよ!」と声が聞こえ、続けて斜め後ろの方から「やべぇ」とつぶやく声と同時に低い叫び声が響いた。