誰も、何も言わないのだろうか。

テレビでは,寒い欧州の夏のスポーツのお祭りを放送し続けているし、愛国心をくすぐる言葉があふれているけど、おっと、ちょっと待って。

携帯するエアコンがないともう外では仕事ができないという東京の悲惨な天気状況を立ち止まって考えないのか。

ニュースショーでも,大谷選手の活躍を楽しそうに毎日取り上げるのに、エアコンがないともうどんな家にも住めない東京の残酷な現状を見つめないのか。

都知事選でも、誰も、灼熱の暑気に対する対策をいわないし、聞こうとしない有権者。夏の東京の問題はそれだけといってもいいのではないか。神宮の木を切り倒すという知事が再選しても、誰も、文句を言わない東京。

昼間外へ出ると、体中を締め付ける湿度と温度。息がつけないほどの暑苦しさに苦しみながら、背中を流れる汗を感じながら、駅までの15分を歩く。政治家も選挙民も,この目の前の地獄を見ないのだ。

気候危機でもない、目の前の、生きづらい湿度と気温を,なんとかしなくていいのか。

歌心りえという無名の,韓国の番組スターになった歌手は9歳の娘を育てているママだという。41歳で産んだ女の子を育てながら、りえさんは、日本のカラオケスタンダードNumberを歌い続けているように見える。

それが清々しく、感情を抑えて、声も控えめに熱唱する。

日本、いや東京の歌謡界などという魔物の住む世界とは関係のない韓国の歌の世界が清々しい。