なんかコーフンしてこの話についてたくさん書いたので、一応完結篇をやるゾヨ。
俺の理解を、簡略化して書いてみます。
厚生労働省のまとめている重要な統計に、労働者の賃金についてのものがあります。これは、ひらたく言えば、人を雇っている場所全てに問い合わせて、賃金を全部でいくら払っているかきいたのですね。返答の額を全て足し合わせれば、労働者全員の総収入がわかる。
でも、東京の、大きな企業に対しては、全部から返答を集めるのは面倒くさいから、三分の一からきくだけでいーや、と勝手に決めた。
三分の一からしかきいていないのだから、東京の大きな企業が全体として労働者にいくら払っているかを計算したかったら、三分の一のサンプルから得た答えを、三倍しなければいけない。
でも、厚生労働省は、この掛け算をしないで、東京の大きな企業、三分の一から得たこたえを足してしまったのですね。
だから、日本全体の労働者の総収入の計算に、東京の大きな企業、三分の二の分が含められいていないことになり、統計は賃金を低めに推定していたことになる。
極端な例を作って、もう一回やってみよう。
少子化が進んで、日本に労働者が一万人しかいないとする。そのうち、三千人は東京にいる。
東京に住んでいない七千人全員に聞いてみたら、それぞれ、一万円の賃金をもらっていたとしますね。足しあげたら、七千万円です。
東京に三千人いるけど、めんどくさいから、三分の一、千人からしか聞かなかった。その答えを足しあげてたら、三千万円だった。
厚生労働省は、日本の労働者の総賃金は、七千万プラス三千万で、一億だった、と発表。
でも、これだと、東京の、きいていない二千人の分の賃金が、含められていないじゃん。
そーゆーことです。
上の計算がおかしいことは、小学生でもわかる。でも、そのことに誰も気がつかなくて、何年も間違った統計がまかり通っていた。なんで、こーゆーことが可能だったのか。それが問題なのじゃ。