俺は小学校高学年のころ、担任の先生に戦争につい徹底的に洗脳された。
いわく、戦争はひどいもので、日本は戦争を絶対にしてはいけなくて、軍隊を持つなどもってのほか、とか。
大学生くらいになって国際政治論とかを勉強するようになって、こーゆー思想はナイーブでありすぎる、と思うようになった。
戦争を避けるということに異論はないけれども、そのためには現実的に抑止力が必要であり、日本は強い自衛隊を持たないと攻め込まれる、てなふうに考えるわけです。
日本において自衛隊の存在を認めないというような、極端な反戦論者はたくさんいるわけですが、そーゆー人たちバカではないか、と思っていた。
このごろ、アベ首相が自衛隊についての法律を変えようとしているわけで、極端な反戦論者の意見なんかがよくメディアでフィーチャーされる。
それで気がついたのだが、日本における反戦観の対立(自衛隊いらない派と、強い自衛隊必要のリアリスト派)は、対外的にはとても有効なんですな。
例えば、アメリカの外交の専門家なんかは、この意見の対立をみて、「日本人って、こんな自明のことについて同意できなくて、クレージーねー」と感じ、「有事の際はこいつらには頼れないなー」と思ってくれる筈だ。
要するに、日本の安全はアメちゃんが守ってくれるし、アメちゃん主導の戦争に日本が巻き込まれることもなかったわけね。
戦後70年、日本人が戦争で死ななかったというのは、戦争だらけの世界情勢において奇跡のようなことであり、これは抑止力が理解できないおバカだと俺が思っていた、極端な反戦主義者が幅を利かせていてくれたからです。
だからこの人たち(少なくともその一部)はおバカではなくて、確信犯的に論理的不合理なことを主張していた、と考えられる。
しかし、この手はもうきかないと俺は思うんですよ。
なんといっても、アメリカの国力衰退が激しい。
オバマ大統領は、ロシアがクリミアを攻め取ろうが、中東で同盟者が危険にさらされようが、ノホホンとしている。
ずっとアメちゃんが守ってくれると仮定するのは、危険すぎる。
アメリカが将来的に世界安全保障へのコミットメントをさらに弱めるとしたら、今の日本の態勢では、敵国に攻撃されるかあるいはなんかの戦争に巻き込まれる可能性が、かなり高いのではないか。
などなど。なんか、マジメなことを書いてしまった。