皆様
前回のブログでもご紹介しましたが、執筆を続けていました本の発売日が、正式に6月27日に決定しましたので、ご報告いたします。
出版してくださる中外医学社様とのやり取りをさかのぼってみたら、執筆のご依頼を頂戴したのがもう3年前で、それ以降も筆が遅く、編集部の皆様にはいろいろとご心配をおかけしていました。
でも、粘り強くお待ちくださり、時にご助言・ご指導も賜り、ようやく日の目を見ることとなり、大変嬉しく思っています。
内容としては、精神医学と音楽療法そして音楽活動について、客観的な知見や、医療・音楽療法・音楽活動を行う中で見出した・見えてきたこと・考えたこと、その他いろいろと思い浮かぶことなどを整理して記しました。
ネット上では、おかげさまで、出版元の中外医学社様のページをはじめ、アマゾンでも販売が始まりました。
医療者そして音楽療法士として、そしてその合間に作曲と演奏を続けて来た身として、これが真実ではないか、と感じることを、なるべくわかりやすく記し、まとめたに過ぎません。
でも、そのような内容だからこそ、音楽療法にご興味のある精神科医や、音楽療法士の方はもちろん、音楽の人間への作用についてご興味をお持ちの多くの方の、お役に立てるのではないかと思っています。
なお、6月21日から神戸で開催される日本精神神経学会の学術総会では、先行販売される予定です。
お手にとっていただけましたら、大変嬉しく思います。
詳しい目次を以下に記します。
一番最後に、フライヤー(チラシ)もアップさせていただきます。
どうぞご覧ください。
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目次:
第1章 はじめに
1 音楽との関わり
2 精神分析との出会い
3 精神医学の世界へ
4 そして音楽療法へ
5 音楽に癒され,音楽で癒す
第2章 精神医学と音楽療法 ~それぞれの歴史の概観~
1 精神疾患のみかた
(1)精神医学の普遍性
(2)精神疾患の古典的な分類
(3)精神疾患の分類と音楽療法
2 近代精神医学の歴史と音楽療法
(1)精神病概念の成立
(2)神経症概念の成立
(3)精神科の音楽療法の流れ
第3章 音楽の作用と神経症圏の音楽療法
1 音楽の作用
2 音楽の心身への効果
3 心への作用とその理論
(1)気分の転導
(2)感情の誘発
(3)発散
(4)感情の高揚,鎮静,正常化,浄化
(5)励まし,慰め
4 精神療法との対比
(1)表現的精神療法
(2)支持的精神療法
(3)洞察的精神療法
(4)訓練療法
5 心因と音楽療法
(1)簡易精神療法
(2)音楽と無意識
6 事例
7 即興のもたらす洞察
(1)事例の考察
(2)キース・ジャレットのことばから
8 Negative capabilityと即興音楽療法
9 即興の程度と無意識の深さ
第4章 精神病圏(内因性疾患)の音楽療法
1 はじめに
2 内因性疾患の音楽療法のエヴィデンス
3 音楽療法が統合失調症の陰性症状に効果を発揮した例をめぐって
(1)個人音楽療法の枠組み
(2)症例
(3)症例の要約
(4)音楽療法との関連
4 音楽体験が統合失調症の病態に与える影響
(1)音楽体験と精神病理
(2)音楽体験が統合失調症に影響を及ぼす機序(仮説)
(3)集団音楽療法における「集団」の意義
5 精神病圏の音楽療法.その方法論と効果の関係
6 ある精神科病院における音楽療法の軌跡
第5章 音楽創造体験
1 はじめに
2 音楽はいかにして創造されるのか
(1)音楽の表象とは
(2)音楽表象と音楽の創造
(3)音楽創造の力動的側面
(4)自我の統制の観点から
(5)再創造
3 音楽による自己治癒
(1)音楽療法症例より
(2)日常の音楽体験
4 霊的体験
(1)至高体験
(2)霊的精神力動論
(3)器質力動説的観点からみた音楽体験
第6章 まとめにかえて