青年期にさしかかる頃からの発達課題は、「アイデンティティの確立」です。母親との良い関係である対象恒常性の持続と自分が自分であると感じる自我が核になって形成されます。
この発達課題が達成されない場合は、自我の構造が脆弱となり、我慢することや不安に耐えることが困難となり、衝動を抑える力がなくなってしまいます。幼稚な言動や善悪の矛盾した行動はその表れです。
○思春期
子供はまず、幼稚園から小学校の頃、仲間と共同作業をすることで、周囲集団、社会の中での自分の位置や役割を意識するようになります。そして「周囲の仲間や他人に、自分はどう見られているだろうか」という感覚になります。自分を見つめることは大切ですが、自己の内面は見えません。自分を見つめるには他人の視線が必要なのです。他人が自分をどう評価しているかを察知して、そこから自分の個性や適性能力を認識していくことが「自分を見つめる」ことなのです。だからこそ、思春期の若者は、他人の目、特に仲間の目を非常に気にします。
自分に対する自信や人を信頼する感性が得られなかった人は、いくつになってもそれを構築するためのやり直しが可能です。
アイデンティティの確立が欠如している青年に対しては、乳幼児期の育児が原因だったと反省認識して、乳幼児に対するような愛情表現で接することが肝要です。相手が望むことを全て叶えてあげること。相手がやりたいことを十分にさせてあげること。相手が欲するものを与え続けてあげること。その結果、脆弱だった自我が徐々に構築されていきます。
子供が現在、学童期でも、思春期でも、青年期になっていても、やり直しは可能であり、自我の確立は達成されます。
子供や青少年が、不登校・拒食症・非行や犯罪・うつ状態になる等は、乳幼児期の「母子依存体験」が足りていなかった結果なのです。
やり直すにあたっては、年齢が低いほど成果は顕著に表れます。青年になってからだと、完全にやり直すのは容易ではありませんが、時間をかけて諦めずにやっていけば十分可能だと思われます。
自分に自信を持ち、周囲の人に対して信頼感を保持することが出来る子供に育てるための秘訣は、「子どもの言うことを目を見ながら聞いてあげること」そして、「子どものしたいことを十分にさせてあげること」です。