路傍のカタバミ。
作中に三回ぐらいでてくるかな。
戦後まもなく、苦しいひもじい時代は終わったのだけれど、お姉ちゃんが「おいしいから」と摘んでる様子がでていた。
戦時中は味などは二の次で、食料の足しとして必死に採っていたのだが、もう、好みで摘んでいる時代。
私は・・・食べたことがない。
庭をみたら、少し生えていた。
食べてみようかな。
さて、小説「かたばみ」読み終えました。
前回は第二次大戦が終わったところで、本を閉じたのですが、やはり、気になって朝早く、夜遅く、読みました。
やさしい語り口の文なので、ぜひぜひ、お読みください。
ストーリーには触れないようにしますね。
私は昭和22年生まれなので、私たちが経験した小学校の様子も描かれていて、懐かしい。
当時、頭にシラミがいるのは当たり前。小学校で女子生徒全員の頭にDDTを振りかけられて、女の子はみんな手ぬぐいをかぶって下校した。
いついなくなったのだろう。
お弁当はもっていくのだけれど、どの子も貧しい弁当だった。
お昼時間、アルマイトの容器で脱脂粉乳を飲ませてくれたのはいつのことか。
いま検索したら、ユニセフからの寄付とか。
そうか・・・今、ささやかに恩返しをしているが、当時はまずいまずいと言っていた。
でも、貴重な栄養源だったんだろうな。
戦後も東北の農村地帯は貧しかった。
なにしろ、一年の半分は雪に閉ざされて、農業ができない。
農地解放というものがあり、戦前の貧乏とは違うものになったと思うが、いまとは全然違う状況が続いた。
私の生家は戦前は地主だったので、戦後貧乏になった。
母は戦前の豊かな時代の話を、子供の私に寝ながらよくしてくれた。
「風邪で喉が痛くて何も食べられないとき、パイナップルの缶詰をあけて、枕元に置いておくの。
いい匂いがしてね~」なんて。
「パイナップルの缶詰ってどんなの?」と幼い私。(もうそんなものは周りにない)
「黄色くて真ん中に穴があいててね」
・・・全然想像できなかった子供の私。
6歳上の姉が「うちは貧乏になったけれど、農地解放があってよかったね」と言っていたのを覚えている。
私もそうだね!と。
それはともかく、「かたばみ」木内昇著 角川書店、2350円
ぜひ!