石牟礼道子さんの原作「西南役伝説」よりを、金子あいさんたちが一人芝居になさいました。

六道御前(ろくどうごぜ)といいます。

左側の白い紙には石牟礼さんの文が載っています。

 

昨年、熊本での公演が終わって、金子さんたちは石牟礼さんを療養先に訪ねて彼女のためにこの「六道御前」を演じられたようで、その時のことがかいてあります。

 

金子あいさんの舞台は主に平家物語や「子午線の祀り」でおなじみですが、

この一人芝居は今までとは違ったものになり、素晴らしいものでした。

三味線を片手に流れていく社会の底辺を生きる芸能者を通して、西南の役のころの時代も感じさせてくれました。

大きな悲しみの中にささやかな喜びも描き、でも、もうこの世ではこれ以上望めないということもあり、生まれ変わったらという悲しい希望もいい表情で演じておられました。

 

石牟礼さんがお亡くなりになるとは思わず、この公演を計画したようですが、捧げる作品になりました。

苦界浄土で知られた石牟礼さんですが、お亡くなりになって、いろんな方が思い出をお書きになっています。

最後の場面で金子あいさんが石牟礼さんに見えてきて、あいさんを借りて石牟礼さんの思いを伝えているんだ、と思わされました。

 

いい作品でした。

 

出演       金子あい 

作曲 三味線 佐藤岳晶

尺八 能管   設楽瞬山

構成・演出   笠井賢一

 

於 吉祥寺シアター