知り合いに、バカに人にモテるKさんがいる。
はっきり言って美人ではないが、人のあしらいが上手であった。
もう良い年になってから、随分年下の男性と再婚したときは、皆が驚いた。
「この年だから、ね」と、夫となる人の学歴で卑下して見せた。
彼女は、いつも敵を作らないように立ちまわっていた。
私が彼女で印象に残っているのは「私は大丈夫なのと言っていたら、誰が助けてくれる?私って、駄目なの、出来ないのと弱音を吐いた人が助けてもらえるの」と言ったことである。
これはシングルマザーだった彼女の母親からの、直伝だという。
Kさんは、男性の中ではチーママのように気配りをして、弱音を吐いて頼り、周囲の人に自分が手を貸してやらなくてはと思わせる〝人たらし〟だったのかなと思う。