それぞれの境遇仕事先で御一緒するはずの年配女性と、その日も一緒だった。 (お会いするのは、2回目) 上品で、真面目そうで、ゆっくりと小声で話す方である。 その日も、地味目なきちんとした感じの服装であった。 私はと言えば、先日リサイクルで買った88円のプリーツスカートに、夫からお下がりの古いブランドセーターを着ていた。 地下鉄までの短い帰り道に、少しだけ話せた。 二人暮らしは同じだが、彼女は夫を亡くして娘さんと二人暮らしだと言う。 あら、またゆっくり話す機会はあるかしら。 路線が異なる改札口で別れた。