図書館に、読書感想画が展示されていた。
各学校の代表作品だけあって、どれも見事な出来栄えであった。
素直に「思い切って大胆に表現してるわ!「こんなにも細かく描写してる」「この色使いは、尋常ではないわ」と、ただただ感心した。
私は、むかしから読書感想画ってのが苦手だった。
本を読むのは好きで、読書感想文ならまあまあいけた。
なんなら、県まで行って賞品(薄っぺらい文庫本ね)も貰ったくらいである。
だから、本を読んで場面をイメージするまではできた。
しかし、場面を絵に描くことはできなかった。
今考えれば、絵の具の技術が、からきしなかったのだと思う。
まず、日常的に絵の具を使っていない。
絵の具が減ってしまったら、高い絵の具はもう買ってもらえないと思ったし、何より絵を描く必要がなかった。
毎日、田んぼや野原を駆け回ったり、ぼーっと空の雲を眺めたり、学校の図書室(小学校では図書館なんて立派なのはない)で、童話を借りて読んでいれば楽しかったのである。
絵を描くなんてのは、せいぜいノートの切れ端にマンガのいたずら絵位であった。
絵とか音楽とか体操とか料理とかの技術系は、つくづく経験値が物を言うと思う。
小さいころから月謝を払って親が習わせるかどうかで、その子のその方面の評価は段違いとなる。
しかし、小さい頃の私は親の考えである種の習い事に通わされたが、興味も関心も必要性も感じられず、毎回投げやりに時間をつぶすだけでありすぐにやめてしまった。
親はお月謝をどぶに捨てたと同じであった。
そうなると、子どものやる気も関係あるのかな。
私はそのせいかどうかは知らないが、未だに不器用なままである。