戦国時代の絵師を描いた小説を初めて読んだのは、直木賞受賞作で、長谷川等伯を描いた

 

 

 

だったと思う。私もとても面白く読めたが、今も、「安部龍太郎さんと共に、等伯を訪ねる旅」ツアーの広告を見るから、多くの人にインパクトが大きかったのだろう。

 

 

今回は、大好きな葉室麟さんが、海北友松を描いた

 

 

 

を読んでみた。このタイトルは、海北友松が京都の建仁寺に描いた「雲龍図」から来ているようだ。戦国の世を生きる絵師の話がとても興味深かったが、この中に、狩野永徳も出て来るので、以前読んだ、同じ作家さんの

 

 

 

を読み返した。これは、5編の短編集で、尾形乾山、狩野永徳、長谷川等伯などが登場する。

 

ここでも、狩野派と、長谷川等伯の、仕事の取り合いからくる確執が描かれていて、面白い。

 

これは、2005年に歴史文学賞を受賞した作品だが、この著者のデビュー作とは驚きの、完成度だ。葉室麟さんは、やっぱりすごい人だ、と思った。