私が若い頃、同じ職場で働く高齢の女性がいました。
なぜか気が合い、とても親しくしていたのですが、ある日、ひょんな事からその女性が、かつて私の母親だったという事を思い出してしまいました。
その人は、既にご主人を失っていましたが、亡くなった人の声を伝える【いたこ】が居る恐山で、亡きご主人の声を伝えて貰ったそうです。
そのご主人は、何かの新興宗教に入っていたのらしいのですが、女性があちらの世界はどう?と聞くと、
「やはり総本山はとても良いぞ!」と
生前、入っていた宗教の総本山のある世界のあの世にいたと言うことです。
えっ?!と
私はその時は理解出来なかったのです。その新興宗教の総本山って真理なのだろうか?
う~ん
でも、最近解った事なのですが、
「人の心は一念三千」と言うように、
あの世の天国と言われる世界でも、それぞれに真理があって正しいとされているという事なんです。
例えばキリスト教だった人が天国に帰ると、祈ってばかりいる集団で、ずっと祈りを捧げている世界に住んでいる場合もあるし、
生前、イスラム教でテロリストだった場合、オサマ・ビン・ラディンを崇めている集団の世界にいる場合もあるらしい。
生前のそれぞれの価値観により、亡くなった後での世界が決まり、それがその人の真理となってしまう。
従って、正しさの基準も、住む世界によってかなり違ってしまうと言うことなのです。
まさに、三千世界ですね。
この世は価値観の違う世界から産まれて来た人間が、一緒くたになって生活しているから、争いが絶え間ないのは仕方ないのかも知れません。