糸リフト+脂肪吸引「セット施術」の落とし穴~直美クリニックで被害者多数!! | 失敗しないための美容相談ガイド~名医選び相談所・山口

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糸リフト+脂肪吸引「セット施術」の落とし穴

「切らずに小顔とリフトアップが同時に叶う」。そんな触れ込みで、溶ける糸リフトと顔の脂肪吸引をセットにしたプランが急増しています。ダウンタイムが短く、価格もパッケージで分かりやすい。だからこそ、カウンセリング当日に契約まで進んでしまう方が少なくありません。

 

ところがこのセット施術のあとに「数か月で元に戻った」「頬がくぼんで老けた」「笑うと皮膚がひきつれる」と修正の相談に訪れる方が目立っています。なぜこうした失敗が起きるのか。その答えは、施術名ではなく「顔の構造」の中にあります。

 

糸リフトと脂肪吸引のビフォーアフター小顔施術

顔は「5つの層」でできている

顔のたるみや輪郭は、皮膚一枚の問題ではありません。皮膚の下には複数の層が重なり、それぞれが違う役割を担っています。糸リフトと脂肪吸引が、どの層に作用するのかを知ることが、失敗回避のための第一歩です。

 

層 役割 糸リフト・脂肪吸引との関係 失敗したときに起こること
皮膚 顔の表面、質感や弾力を担う 糸の通り道に近いと、引っ張りの影響を直接受ける 糸の露出、えくぼのようなへこみ、ひきつれ
皮下脂肪 いくつもの区画に分かれ、顔の丸みやボリュームを作る 脂肪吸引で減らす層であり、糸が組織をつかむ層でもある 取りすぎによるくぼみ、凹凸、引き上げ効果の低下
SMAS(表在性筋膜) 表情筋とつながる膜で、顔全体を支える 本格的なリフトはこの層を扱うが、糸では十分に動かせないことが多い 引き上がりが弱く、早期の後戻り
支持靭帯 皮膚や脂肪を骨につなぎとめる「杭」 靭帯をまたいで引くと、その手前で組織が溜まる 頬骨の上の盛り上がり、顔が横に広がって見える
骨・深部脂肪 顔の土台 加齢で痩せ、上の層を支えられなくなる 土台の問題を糸や吸引で解決しようとして不自然に

トラブルを「構造の問題」に切り分ける

糸リフトの代表的なトラブルを、どの層で何が起きているのかという視点で整理すると、失敗の多くが「施術名」ではなく「層と力の向きの読み違え」から生まれていることがわかります。

 

トラブル 構造上の原因 起こりやすい状況
糸が飛び出る 糸が皮膚の浅い層を通っている、または端の処理が不十分 皮膚の薄い部位、表情でよく動く部位
神経の損傷や圧迫 感覚神経や顔面神経の枝が走る層や位置に糸が近い こめかみ、口角の下、フェイスライン付近を深く通した場合
ひきつれ 糸の返し(コグ)が皮膚を局所的に強く引き込む 引き上げる力が強すぎる、糸の層が浅い
くぼみ 脂肪の区画を吸引で取りすぎた、糸の牽引で凹凸が強調された 吸引と糸を同時に行い、皮下脂肪が薄くなっている
十分に引き上がらない 支える構造(SMASや靭帯)を動かせていない、皮膚の余りが多い たるみが中等度以上、皮膚が厚く重い
頬の上に脂肪が溜まり顔が横に広がる 支持靭帯の手前で引き上げた組織が渋滞する 上方向だけに強く引く設計、頬骨が張っている顔立ち
糸が取れなくなる 糸の周りに瘢痕組織ができ、返しが組織に食い込む 溶ける糸でも吸収前、複数回の施術を重ねている

ここで注目したいのが「顔が横に大きく見える」というトラブルです。下顔面の脂肪を吸引で減らし、さらに糸で上へ引き上げると、頬骨の周辺に組織が集まり、輪郭が上だけ広いひし形に見えることがあります。小顔を目指したはずが、かえって顔の横幅が強調される。これはデザインの段階で起こるエラーです。

「糸リフトの限界」

1. 糸リフトの効果を裏づける質の高いエビデンスは乏しい
Plastic and Reconstructive Surgeryで発表したシステマティックレビューでは、糸リフトに関する既存の研究を検証した結果、効果や持続性を裏づける質の高い研究が不足していることが指摘されました。「切らずにリフトアップ」という言葉ほど、科学的な裏づけは強くないのです。

 

2. 効果は時間とともに薄れていく
糸リフト後の改善は早い段階では見られたものの、時間の経過とともに目立たなくなっていく傾向が示されました。後戻りは「失敗」ではなく、ある程度は施術の性質そのものと言えます。

 

3. 顔の脂肪は「区画」で分かれている
解剖研究では、顔の皮下脂肪がいくつもの独立した区画に分かれていることが示されました。区画ごとに厚みも加齢変化も異なるため、どこをどれだけ吸引するかを誤ると、局所的なくぼみや段差が生まれます。

 

4. 顔を骨につなぎとめる「支持靭帯」
頬の支持靭帯の研究は、顔のたるみを語るうえで今も基本となる知見です。靭帯の位置を無視して組織を引き上げると、その手前で組織が溜まり、不自然な盛り上がりにつながります。

カウンセリングで見抜く「地雷」のサイン

糸リフトと脂肪吸引のセットは、施術そのものより「誰が、どんな診察をして、どう設計するか」で結果が大きく変わります。次のサインがあれば、その場で契約しないでください。

 

地雷サイン なぜ危険か その場で聞くべき質問
顔に触れず、セットプランをすぐ提示する 脂肪の厚みや皮膚の余り、靭帯の位置を診ていない 「私の顔で、たるみの原因はどの層にありますか?」
糸の本数や種類が値段で決まる 構造ではなく価格表で設計されている 「なぜこの本数で、この方向に引くのですか?」
脂肪吸引の量を具体的に説明しない 取りすぎによるくぼみや将来の老け顔を考慮していない 「どの部分の脂肪を、どれくらい残しますか?」
執刀医が当日まで決まらない 経験の浅い医師が担当になる可能性がある 「執刀する先生の経験年数と症例を見せてください」
後戻りやひきつれの説明がない リスクを伝えずに契約を急いでいる 「ひきつれやくぼみが出たら、どう対応しますか?」
術後の連絡先や夜間の対応が曖昧 神経症状や感染が起きたときに頼れない 「術後に異常が出たら、誰がどう診てくれますか?」

 

日本形成外科学会の専門医や、日本美容外科学会(JSAPS)の専門医であれば、顔の解剖や合併症への対応について一定の研修を受けていることの裏づけになります。ただし資格は技術の保証ではありません。最終的には、その医師自身が半年から1年以上経った症例と、うまくいかなかった場合の対応まで説明できるかで判断してください。

 

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