傷が残らない人中短縮、という言葉に騙されないために。
裏側人中短縮。口の中から切るので、顔の表面に傷が付かない。
ただ、この手術では人中の皮膚が短くなるわけではなくて、上唇の見せ方をめくりあげることで間接的に人中を短く見せる手術だという理解です。
裏側人中短縮で何が起きているのか
口腔内の上唇粘膜を切開して、組織を引き上げて縫縮する。これが術式の中身です。
つまり触っているのは粘膜側であって、鼻の下の皮膚ではありません。
| 手術 | 切る場所 | 起きる変化 |
|---|---|---|
| 皮膚側の人中短縮 | 鼻柱の基部に沿った皮膚 | 人中の皮膚そのものが短くなる |
| 裏側人中短縮 | 口腔内の上唇粘膜 | 赤唇が外反し、上唇が厚く見える |
結果として、上唇のボリュームが増え、赤唇の露出が増える。写真で見ると口元の印象は変わります。ただ、鼻の下から唇までの距離、いわゆる人中の長さは、ほぼそのままです。
メリット
顔の表面に傷が付かない。
これは事実で、最大の利点です。皮膚側の手術では、傷の赤みが数か月残り、体質によっては白い線として長く残ります。それを避けられるのは大きい。
上唇のボリュームが出る。
上唇が薄いことに悩んでいる方には、方向性として合います。ヒアルロン酸のように吸収されないので、持続性という点では優れています。
ダウンタイムが比較的短い。
表面の腫れは出ますが、傷を隠す必要がありません。
デメリット
鼻唇角がキツイ人は向いていない。
裏側人中短縮をすると、鼻唇角は更にきつく見える事があるので、元々鼻唇角が80度とかきつめの方には向いていない手術です。猫手術や表側人中短縮を組み合わせた手術を提案されることになります。
後戻りしやすい。
粘膜側の固定は瘢痕が緩むと戻ります。数か月から数年で元の状態に近づく例があります。
歯茎の露出が増えることがある。
上唇が引き上げられるので、笑ったときにガミー傾向が出る場合があります。もともとガミーの方は悪化する方向です。
修正が難しい。
粘膜の瘢痕は硬く残ることがあり、しびれや突っ張り感が続く例もあります。取りすぎた場合、戻す手段は限られます。
人中短縮の名医選びを失敗しないためには?
鼻唇角が鋭いこと、横顔の突出が悩みなら、軟部組織の手術では解決しません。
鼻柱の下垂が主因なら鼻中隔尾側の処理や鼻中隔下制筋の切離、骨格性なら矯正や骨切りの領域です。ここを切り分けるために、セファロでの評価が意味を持ちます。
人中の長さだけを測るなら不要ですが、横顔全体を変えたいなら必須です。
形成外科専門医など、基礎のある外科医であること。 粘膜と皮膚の瘢痕、上唇の筋の走行。訓練の背景は確認してください。そしていわゆる直美は避けたほうが無難です。
直後だけ効果があったように見せてすぐに後戻りしてしまう症例写真では技術を測ることが出来ませんからね・・・

