頬コケ・小顔整形の落とし穴 ― ムンク顔にならないために
「小顔になりたい」「頬のたるみを解消したい」――こうしたニーズから顔の脂肪吸引やバッカルファット除去、糸リフトを希望する人は年々増えています。しかし近年、解剖学に精通していない医師による過剰な施術で“ムンク顔”と呼ばれる不自然な頬コケになる例が報告されており、安全性が大きな問題となっています。
頬コケの原因と治療アプローチ
頬コケは一見同じように見えても、原因によって適切な治療法が異なります。
| 原因 | 主な特徴 | 適応される治療 |
|---|---|---|
| ボリュームロス(脂肪・組織の減少) | やつれた印象、窪みが強調される | 脂肪注入、ヒアルロン酸注入 |
| 骨格性(頬骨の突出など) | 横顔でゴツゴツ感、影が出やすい | 頬骨削りなど骨格矯正 |
| 軟部組織の下垂(たるみ) | マリオネットラインや法令線の強調 | 糸リフト、フェイスリフト |
【参考:Yamaguchi et al., Plast Reconstr Surg. 2019】
増えている失敗例の背景
特に問題視されているのは、
・顔の脂肪吸引を深層まで行いすぎる
・広頚筋下の脂肪まで吸引し、神経や血管を損傷
・バッカルファットを安易に除去して、かえって老化を早める
こうした誤った施術により、頬コケや表情の不自然さ(ムンク顔)、感覚障害を招くケースが増加しています【Matarasso, Clin Plast Surg. 2014】。
さらに、麻酔専門医が不在のまま静脈麻酔で施術を行い、呼吸が不安定な状態で手術を続ける事例も報告されており、実際に国内外で重篤な合併症や死亡例が発生しています【日本麻酔科学会 安全委員会報告 2023】。
避けるべきクリニックの特徴
リスクの高いクリニックには共通点があります。
| 注意すべきポイント | なぜ危険か |
|---|---|
| 「ジョールファット除去」と称して頬脂肪吸引を別料金に | 実際は同じ脂肪を取るだけで不要なアップセル |
| “1Day小顔吸引”など少量しか取らない宣伝 | 効果が不十分、再施術リスクが高まる |
| 麻酔科医不在で静脈麻酔 | 呼吸停止・窒息リスク、緊急対応不可 |
| 術後すぐに帰宅させる | 血腫や気道閉塞の発見が遅れる危険 |
小顔整形の外科医選び
施術を検討する際は、次の点を必ず確認しましょう。
・SNS美容外科医を避ける
・直美かどうかを学会名簿で確認する(ネットで閲覧できる)
・過去に出身経歴を確認(年号を隠している医師はほぼ黒)
・形成外科専門医、またはJSAPS(日本美容外科学会専門医)であるか
・麻酔科専門医が常勤、もしくは手術時に立ち会う体制があるか
・「安さ」「オプションの多さ」よりも安全性を優先しているか

