ティアドロップ変形(Tear drop deformity)の修正後にも再発してしまった場合は、鼻形成手術の中でもさらに難易度が高い領域に入ります。初回修正では皮膚や軟骨を補ったとしても、拘縮(ひきつれ)が強かったり皮膚量が絶対的に不足していると再び変形してしまうため、「皮膚を増やす」「内部構造を強化する」「瘢痕を解放する」という三段階でのアプローチが必要です。
ティアドロップ変形が再発する原因
再修正が必要になるケースでは、以下の問題が残っています。
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皮膚不足が根本的に解決されていない
→ 初回手術で皮膚を切除しすぎており、鼻孔縁が下に引っ張られる。 -
瘢痕拘縮が強い
→ 傷跡が硬く縮まり、鼻孔縁が下方に引き込まれてしまう。 -
内部の支えが弱い
→ 軟骨移植をしても、十分な強度がない場合に再び変形する。
修正の修正で行う手術法
1. 拘縮リリース(瘢痕を解放する)
まずは鼻孔縁周囲の瘢痕を細かく切離し、引きつれを解除します。
Z形成術(Z-plasty)などを併用して、皮膚のテンションを分散させるのがポイントです。
目的
・鼻孔縁が再び下に引き込まれないようにする
・皮膚を再建しやすい状態にする
2. 皮膚不足を補う
再修正で最も重要なのが「皮膚を足す」工程です。
初回修正で外側皮膚を皮弁として動かしてもまだ足りない場合、別の部位から皮膚を移植する必要があります。
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耳の裏の皮膚:色調が鼻に近く、目立ちにくい
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鼻翼周囲の余剰皮膚:局所皮弁として利用
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口唇内側の皮膚:小範囲の補充に適している
これにより、鼻孔縁に十分な余裕を作り、再発を防ぎます。
3. 軟骨移植で鼻孔縁を支える
皮膚を補っても構造的な支えがなければ、再び下に引っ張られて変形します。
そのため、強固な軟骨で鼻孔縁を支える補強が必要です。
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耳甲介腔軟骨(じこうかいくう)
・カーブが自然で鼻孔縁に適している。 -
耳甲介舟軟骨(じこうかいしゅう)
・上記が使えない場合の代替。 -
肋軟骨(ろくなんこつ)
・再修正や強度が必要な場合に使用。大きな支持力が得られる。
軟骨は「L字型」や「アーチ型」に加工し、鼻孔縁を内側からしっかりと持ち上げます。
4. 必要に応じて段階手術
皮膚や組織のダメージが大きい場合は、一度に全てを治そうとせず二段階に分けて手術します。
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1回目:皮膚移植と拘縮解除のみ
→ 鼻翼を柔らかくして準備する段階 -
2回目:軟骨移植と最終デザイン
→ 安定した状態で形を整える
修正を希望している人はご相談ください
ティアドロップ変形の再修正は、
「皮膚」「支え」「瘢痕」という三つの問題をすべて解決しなければ成功しません。
| 課題 | 対応法 |
|---|---|
| 皮膚不足 | 耳の皮膚や局所皮弁で補充 |
| 拘縮によるひきつれ | Z形成術や瘢痕リリース |
| 構造的な支え不足 | 耳軟骨・肋軟骨移植 |
初回修正よりもさらに難易度が高く、鼻形成と再建外科の両分野に精通した医師が必要です。
特に肋軟骨移植を伴う場合は、呼吸器外科や形成外科での経験がある医師を選ぶと安心です。

