眼瞼下垂の手術は「診断」「手技」「術後のケア」いずれも医師の力量に大きく左右される難易度の高い手術です。
中でも切らないタッキングでの眼瞼下垂手術は、切開式眼瞼下垂が出来ない美容外科医が手を付けていることもあって、修正相談が後を絶ちません。以下に要点をまとめたいと思います。
✅ 切らない眼瞼下垂手術(ミュラー筋タッキング、ADMなど)
● 問題点
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ミュラー筋の短縮・縫縮を行う手術(切らない下垂術)は、確かに手軽に見えるが再発率が高く、効果が不安定
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解剖構造を十分に理解していない医師が適応外の症例に安易に行い、効果がなかったり過矯正になるケースも
● リスク
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**ミュラー筋離断(ADM)**は交感神経支配の筋を傷つける可能性があり、眼瞼痙攣や慢性的な疲労感、機能障害につながる例も報告あり
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固定位置が皮下軟部組織(眼輪筋など)にズレていると、後戻りや左右差が生じる
✅ 眼瞼下垂手術で重要なポイント
| 項目 | 解説 |
|---|---|
| 適応診断の正確さ | 皮膚弛緩 vs 挙筋機能不全 vs ミュラー筋反応性などの正確な見極め |
| 固定位置の選定 | 挙筋腱膜に確実に縫合しないと後戻りしやすい |
| ヘリング現象の考慮 | 両側下垂で片側だけ手術すると、もう片方が下がる(術前検査・術中確認が不可欠) |
| 形成外科的知識の有無 | ROOF切除・眼輪筋処理・瘢痕コントロールが術後の見た目を大きく左右 |
✅ 美容的クオリティを上げる要素
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ROOF切除:まぶたの厚みを取り、二重ラインを明瞭に
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眼輪筋の処理:脂肪だけでなく筋肉の厚みも調整
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極細糸での縫合:表面の凹凸や傷跡の仕上がりに影響
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二重ラインのデザインセンス:開瞼力とのバランスも考慮して設計
単一の結び目で連続的に縫合する非切開法を用いて、二重瞼形成と同時に眼瞼下垂を矯正する手法を紹介。127人の患者(254眼)に対し、術後のMRD1(瞼裂高)の平均が1.62mmから3.97mmに改善し、合併症も最小限だったと報告されています。
✅ 結論:信頼できる医師を選ぶ基準
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形成外科専門医(JSAPS/日本形成外科学会)
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挙筋腱膜前転、ROOF切除、眼輪筋処理など幅広く対応できる
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ヘリング現象の修正も対応している
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美容目的と機能目的のバランスを理解している
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ミュラー筋操作は慎重な姿勢(むやみに切らない)

